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食虫植物の育て方


食虫植物の育て方
楽しい食虫植物
   植物は昆虫や動物に食べられるばかりではありません。昆虫や動物を食べてしまう植物もあるんです。それが食虫植物と呼ばれる植物です。
 食虫植物にはさまざまな種類があります。小さなものでは、微生物を捕まえて食べちゃうもの、大きなものではネズミを捕まえて食べちゃうものもいたりします。でも、ネズミを食べるほどの大きな食虫植物は植物園でも見かけるのはまれですね。
 ここでは、簡単に入手できる食虫植物を紹介します。
 食虫植物の多くは一年草のため、春に購入するのが良いと思います。秋〜冬になると、普通は店頭から姿を消してしまいますが、売っているものはハウス栽培などで冬でも青々としていますので、買ったらすぐに枯れてしまったーなんてことになったりもします。
 食虫植物の種類

■ ウサギゴケ ■
ウサギゴケ
 タヌキモ科の食虫植物です。ミミカキグサ、クリオネなんて言ったりもします。
 根っこに袋状の捕虫嚢を持ち、そこに入った土中の微生物をパクっと食べてしまいます。食虫植物といっても、虫捕り装置が土の中に入っているので、あまり食虫植物っぽくありません。
■ ハエトリソウ ■
ハエトリソウ
 モウセンゴケ科の食虫植物です。あまり知られていませんが日本にも自生しています。
 食虫植物の代表選手的存在です。ハエくらいの大きさの昆虫を捕らえてパクっと食べてしまいます。口のところに毛が何本か生えていて、そこを刺激すると口が閉じる仕組みになっています。閉じると粘液が出てきて、昆虫を溶かしてしまいます。いじりすぎると弱ってしまい、口が閉じなくなってしまいます。
■ モウセンゴケ ■
モウセンゴケ
 モウセンゴケ科の食虫植物です。あまり知られていませんが、日本にも自生しています。葉の形などで、いろいろな種類があります。
 葉の周りにネバネバした粘液を持った毛が生えていて、そこに虫がつくとに、ネバネバで逃げられなくなってしまいます。種類によっては葉をクルっとまるめて、虫をくるんでしまうものもいます。小さなハエや蚊などを捕らえて食べちゃいます。
■ サラセニア ■
サラセニア
 サラセニア科の食虫植物です。育てやすいのですが、店頭ではあまり見かけません。葉の形で、いろいろな種類があります。
 葉がツボのような形になっていて、中に入った昆虫を捕まえて食べちゃいます。罠のようなもので中に入ったら昆虫は逃げられないと思われがちですが、上手に外に逃げ出す虫もいます。
 小型のもから大型ものまで、いろいろな種類がありますが、大型のものはレア度が高く高価になってしまいます。
■ ウツボカズラ ■
ウツボカズラ
 ツボカズラ科の食虫植物です。ハエトリソウ同様、食虫植物の代表選手です。ポケモンのウツボットのモデルになりました。
 葉の先端にひょろひょろとツルが伸びて、その先端にツボのような虫捕り器を付けます。大型のものでは小さなネズミも捕らえてしまいますが、店頭ではほとんど見かけないですね。
■ 大きなウツボカズラ ■
大きなウツボカズラ
 とっても巨大な品種のウツボカズラです。
 最近のウツボカズラは育てやすいように品種改良を行っているため、挿し木で増やすことが出来ません。
■ ムシトリスミレ ■
ムシトリスミレ
 タヌキモ科の食虫植物です。あまり知られていないので、店頭でも見かけることは少ないです。
 モウセンゴケ同様、葉にネバネバした毛が生えていて、そこに虫がつくと捕まえられてしまいます。しかしモウセンゴケほど虫捕りに積極的ではないため、虫を包み込んだりはしませんし、毛も短めです。
 スミレの名の通り、スミレにそっくりな花を咲かせます。
■ タヌキモ ■
タヌキモ
 タヌキモ科の食虫植物です。あまり知られていませんが、水草の食虫植物です。
 ミミカキグサ(ウサギグサ)と同じように小さな微生物を捕まえて食べてしまいます。こちらは葉にプツプツと小さな虫捕り器を作ります。

食虫植物の育て方
食虫植物の育て方
   食虫植物というのは、痩せた土地で、ジメジメした場所に生えています。湿地帯や、岩肌などにくっついていたりします。ですので、育て方はどの食虫植物もほとんど同じです。
 難しく思われがちですが、実は育て方はかなり簡単です。室内での虫除けなどにご活用ください(^^ゞ
  用土は水苔を使用します
     自然界での生育状況を再現するためには、栄養分のない土が必要です。また、湿度が必要なため保水性が必要ですが、水や根が腐らないために通気性・通水性も必要です。
 購入した時は、通常は泥や砂などに植えられているので、購入後すぐに水苔を使って植え替えるのが良いでしょう。古い土はなるべく取り除いてしまいます。水苔は使用する前に水に漬けて湿らせてから使用します。
 また、古くなってくると水苔も傷んできて通気性が悪くなってくるので、2年〜3年に1度くらいは植え替えを行うと良いです。植え替えの時期は、冬か、春先が適期です。真夏の植え替えは元気がなくなるので避けた方がいいです。
  プラスチック製の鉢は使わない
     値段も安く、軽くて便利なプラスチック製の鉢ですが、食虫植物を育てるにはあまり向いていません。鉢の内部に湿気がこもってしまい、水や根が腐ってしまったり、温度が高くなってしまいます。
 通常は陶器の鉢を使います。釉薬や、コーティングされていないものが良いです。ウツボカズラは捕虫器がぶら下がるので、吊り下げるタイプがオススメです。
  肥料はあげない
     基本的に、肥料は一切あげません。痩せた土地で育つので、肥料は必要なく、たまに虫を捕らえて栄養を補給します。
 特にウツボカズラでは、肥料をあげてしまうと、ウツボカズラ特有の捕虫器を付けなくなってしまいます。
  水はたっぷりあげる
     肥料は必要ありませんが、水切れにはとても弱い植物です。水を切らさないように、毎日、たっぷりと水をあげましょう。
 面倒くさい時は、鉢に受け皿を敷き、皿に水がたまるまで水をあげれば大丈夫です。ただし、夏場は水温が上がって根が痛んでしまうため、夏場はこの方法は使えません。
 また、ムシトリスミレは冬は乾かし気味にしておきます。

 必需品

■ 朱温鉢・素焼鉢 ■
朱温鉢・素焼鉢
 朱温鉢なんて言ったりもする、陶器製の素焼きの鉢です。プラスチック製の鉢に押されて、だんだんと見かけなくなってきてしまいましたが、万能で扱いやすい鉢です。
 通気性が良いので、ほぼどんな食虫植物でも問題なく育てることができます。食虫植物は小さいものが多く、根もあまり大きくならないので、通常は3号〜4号の鉢で十分です。
■ ココヤシマット ハンギングバスケット用 ■
ココヤシマット ハンギングバスケット用
 ウツボカズラ用にはこちらの吊鉢が一番育てやすいです。
 通気性がとても良いので、水苔を使っても、中が蒸れることはありません。
 食虫植物は温かいところに生えているものが多いのですが、ジメジメとした水は流れのある冷たい水なので、鉢の内部の温度が上がってしまうと、育成の妨げとなってしまいます。
■ 水苔 ■
ココヤシマット ハンギングバスケット用
 洋ランを育てている人にとっては馴染み深い水苔ですが、それ以外の人にとってはあまり馴染み深いものではないのかもしれません。値段はかなりリーズナブルです。
 水苔の中に何かの植物のタネが混じっているのでしょうか。温かい季節になると、なぜか水苔から植物が生えてきます(^^ゞ。根張りがかなり頑丈なので、引き抜くのには苦労します。
 

食虫植物の増やし方
食虫植物の増やし方
   せっかく上手に育てられるようになったら、今度は増やすことにチャレンジしてみましょう。
  実生で増やす
     食虫植物というと、虫を捕らえて栄養分にすることばかりに目が行ってしまいますが、実はとてもかわいらしい花をつけてくれます。この花をそのままにしておくと、タネがとれるので、実生で増やすことができます。
 寒くなる前の時期でしたら、そのまま蒔いてしまって大丈夫。寒くなってくる時期にタネが収穫できたら、ジッパー付きのビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保管しておきます。春になったらタネを蒔きましょう。
  株分けで増やす
     植え替えの時、株分けで増やすこともできます。
 一度植え替えをしたことのある人なら知っていると思いますが、地下茎(?)で繋がって株が増えていきます。その地下茎を切って増やすことができます。
  挿し木で増やす
     花をつけてくれないウツボカズラは、挿し木で増やすことができます。
 最近は品種改良が進み、挿し木をしてもなかなか発根してくれなかったりします。枝を切って水を張った小ビンに入れておくと、だいたい2ヶ月〜3ヶ月で根が出てきます。
 何度やっても挿し木が上手くいかない場合は、取り木で増やします。枝の適当な所に水苔を巻き付けて、さらに外側からラップやビニールで包み込みます。水分をしっかりと与えていれば、数ヵ月後には発根し、ビニールの隙間から根が出てきます。そうしたら新しい鉢に植えてあげましょう。

 必需品

■ ジップロック フリーザーバッグ ■
ジップロック フリーザーバッグ
 どこにでもありがちなジッパー付きのビニール袋です。
 植物のタネを保存する場合は、あまり安物を使うと、微妙に密封できずに空気が漏れてしまうため、春になる頃にはタネがカラカラに乾燥してしまうなんてことにもなったりします。なるべくちゃんとした物を使うのがいいみたいです。
 また、光を避けるため、紙袋で包むなどすると、冷蔵庫の中で発芽してしまうようなことも少なくなります。
■ 発根促進剤 ■
発根促進剤
 挿し木の時に使うと、ちょっとだけ成功率が高くなるのが発根促進剤です。特に、挿し木の成功率が低い植物に使うと効果的でしょう。
 用土に刺す前に、枝の切り口に発根促進剤をちょこちょこっと付けてあげるだけで大丈夫です。
 植物活力液や、切り花用では、あまり効果がないような気がします。
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