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生活習慣病 |
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歯周病は、生活習慣病として位置付けられるようになりました。
歯周病の原因が食習慣、歯磨き習慣、喫煙などと関係があるため、歯科医師による治療のみでは効果が上がらないことも明らかになっています。
患者さん個人の生活習慣の改善、自助努力が、歯周病治療の成否に大きく関与します。 |
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ゆっくり進行する |
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ほとんどの歯周病は激しい痛みがなく、はっきりした自覚がないまま静かに経過する慢性の病気です。はっきりした症状がないまま進行するため、歯がグラグラして、おかしいと気付いた時には、すでに手遅れの状態ということも少なくありません。この場合、歯を支える歯周組織の大半が失われています。
歯周病はゆっくり進行しますが、厳密には、ほとんど症状を示さない静止期、その後に続く激しい急性炎症と組織の破壊がみられる活動期が、繰り返し起こっています。
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進行のしかた |
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歯周病は正常な歯肉にまず歯肉炎が起こることで始まり、これがさらに進行すると歯周炎になります。 |
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開始期病変 |
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歯磨きを止め、プラークが付き始めて2日後〜4日後に起こる歯肉の表面の急性の炎症です。 |
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早期病変 |
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プラークが付いてから1週間後にみられ、明らかな歯肉炎を意味します。 |
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確立期病変 |
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歯周ポケットが形成され、炎症がさらに広がって、上皮の下の歯肉結合織に及びます。 |
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発展期病変 |
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確立期病変の炎症がさらにひどくなった状態で、歯周炎と呼ばれる状態です。炎症は歯肉の部分を超えて、内部の歯根膜(しこんまく)、歯槽骨(しそうこつ)にまで及んでいます。 |
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歯のグラつき |
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急性炎症と組織破壊によって、歯と歯肉の間に亀裂ができます。この亀裂のことを、歯周ポケットと呼びます。
歯周ポケットができると同時に、歯の周りの結合組織も歯槽骨(しそうこつ)も破壊されてしまいます。外から見ると、歯茎が痩せて退縮し、歯の根が現れるようになり、やがて歯がグラグラして、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
こうした症状を示す歯周病の原因は、歯肉付近の歯についたプラーク(バイオフィルム)の中の細菌です。 |
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起こりやすい合併症 |
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歯や口は、消化器官の一部としての役割を持っています。また、身体全体とも繋がっています。
歯周病は口の中に限局しているだけなら、それほど大きな問題にはなりません。しかし長期間慢性化することで、病原性を持ったプラーク中の細菌が血液に入ったり、飲み込まれて口から離れた心臓や肺などの遠隔臓器に行き、合併症を起こす危険性があります。
起こりやすい代表的な合併症としては、誤嚥性肺炎、心内膜炎、心臓血管障害、菌血症、敗血症、糖尿病、早産、低体重児出産などを引き起こす可能性があります。
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