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脂漏性皮膚炎


脂漏性皮膚炎の概要は?

おもな症状

 

発赤にともなう落屑(らくせつ)
痂皮(かひ)
フケの増加
鱗屑(りんせつ)
かゆみ


脂漏性皮膚炎ってどんな病気?

頭、顔、腋の下など

 

イメージ画像 頭や顔面などの皮脂の多い部分である脂漏部位、腋の下などの汗や摩擦の多い部位に皮膚炎が現れる病気です。皮脂腺(ひしせん)がよく発達し、皮膚の分泌の多い部位にできます。
 新生児期〜乳児期にみられるものと、20歳代〜40歳代のおもに思春期以降の成人にみられるものとに分類できます。
 乳児の場合は、成人よりも脂っぽいかさぶたが頭や顔にできます。


脂漏性皮膚炎の原因は?

酵母菌が原因

 

イメージ画像 皮脂の多い部位に常在するマラセチアなどの酵母による皮膚炎とする説が有力です。
 新生児期は、胎児期のホルモンの作用で皮脂がたくさん分泌されます。
 成人では、ビタミンB群の不足、肉体的ストレス、精神的ストレス、低温度・低湿度が悪化の原因になります。体調が悪かったり、入浴できなかったりすると悪化することがあります。


脂漏性皮膚炎の症状は?

乳児脂漏性皮膚炎

 

イメージ画像 乳児脂漏性皮膚炎(にゅうじしろうせいひふえん)は、生後まもなくから発症します。髪の生え際から頭の皮膚、額や眉毛部に黄色いかさぶたと、淡い紅斑がみられます。
 普通はかゆみはほとんどありません。

成人脂漏性皮膚炎

 

 成人脂漏性皮膚炎は、青壮年期に多くみられます。頭部から髪の生え際のフケと淡い紅斑、頬や鼻翼部から時には顔面全体に広がる黄白色の鱗屑(りんせつ)がついた紅斑が特徴です。皮膚がフケのように細かく剥けてきます。
 腋の下、鼠径部(そけいぶ)、前胸部、上背部のVゾーンにも、同様の症状がみられることがあります。腋の下や股のところにできると、湿った感じになります。
 軽いかゆみをともないます。

ふけ症・フケ症

 

 頭部の皮膚が細かくカサカサと剥けるフケ症は、炎症症状をともなわない軽症の脂漏性皮膚炎です。

脂漏性皮膚炎の診断は?

皮膚科医による診察

 

イメージ画像 脂漏部位に境界のはっきりとした紅斑が現れた場合、まず脂漏性皮膚炎を疑います。
 頭部のほかに、肘(ひじ)、膝(ひざ)に厚い鱗屑のついた紅斑がみられる場合は尋常性乾癬、腋の下や鼠径部の紅斑はカンジダなどの真菌感染症の可能性があるため、皮膚科で診察を受けるようにしましょう。

アトピー性皮膚炎との見分け

 

 乳児では体幹や四肢の皮膚炎の有無、かゆみの強さ、家族のアレルギー歴などを参考に、アトピー性皮膚炎との見分けをします。


脂漏性皮膚炎の治療法は?

短期間で治ります

 

イメージ画像 乳児脂漏性皮膚炎は、一般に短期間で治癒します。
 毎日入浴し、局所を清潔に保つだけで、軽快することもあります。

外用薬

 

 頭部の厚い鱗屑にはベビーオイルやワセリンを塗った数時間後にシャンプーして、かさぶたを優しく取ってあげます。
 顔の炎症が強い場合は、ステロイド含有軟膏を数日間外用します。
 症状が強い場合は、頭部にステロイドローション、顔面と体幹にはステロイド軟膏を外用します。厚いかさぶたが付着している時は、亜鉛華単軟膏(あえんかたんなんこう)や親水軟膏を厚めに塗ったガーゼを貼り、赤みが強ければステロイド軟膏(副腎皮質ホルモン剤)を塗ります。
 症状が軽くなったり、症状の弱い軽度の病変なら、抗菌剤のケトコナゾール(ニゾラール)クリーム、ミコナゾールシャンプーが有効なことがあります。

ビタミン剤の内服

 

 ビタミンB2、ビタミンB6の内服も有用です。


脂漏性皮膚炎かなと思ったら?

皮膚科へ

 

イメージ画像 乳児、成人ともに、石鹸やシャンプーでの洗髪・洗顔・入浴を適度に行うことが大切です。
 成人の脂漏性皮膚炎は、慢性・再発性で数ヶ月〜数年続いた後、次第に治癒に向かうことが多いです。途中で諦めずに根気よく治療を続ける必要があります。

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