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終末時排尿痛 頻尿 尿混濁
急性尿道炎 急性前立腺炎(男性のみ)
膀胱内に多くの場合は大腸菌で、その他、ブドウ球菌、セラチアなどの細菌が侵入して繁殖し、膀胱内で膀胱の粘膜に炎症が起こる病気です。 膀胱内部で炎症が起こるというのは、膀胱内部で軽い火傷(やけど)のような症状が起こっていると考えるとよいでしょう。
尿路感染症の中で、最も発生頻度が高い病気です。 20歳代〜30歳代の性成熟期の女性に圧倒的に多い病気です。この年代の女性は、性生活、妊娠、分娩、月経などのため、感染の危険に常にさらされています。
女性の尿道は男性の尿道に比較して太くて短く、尿道括約筋が比較的弱いため、経尿道的な上行経路から細菌が膀胱に侵入して感染します。また、尿道口が肛門に近いので、細菌が入りやすい体の構造になっています。 長時間にわたって尿意を我慢したりすると膀胱炎になりやすくなります。膀胱には細菌に対する抵抗力があるので、睡眠不足、過労、感冒などで抵抗力が弱まった時に出現することが多いです。
普通は、突然に発症して、頻尿、排尿痛、尿混濁が代表的な症状です。 排尿痛は、排尿を終える時にツーンと痛みを感じる終末時排尿痛と呼ばれる症状が特徴的です。 頻尿は排尿後も、どうも尿が残っている感じの残尿感があり、トイレに行きますが、あまり尿は出ません。症状がひどい場合は、15分毎にトイレに行くこともあります。 血尿は、初めて急性膀胱炎にかかった場合に多く出ます。 ほかにも、下腹部不快感などがあります。
適切な抗生物質を服用することが効果的です。 服用後、約2日〜3日で自覚症状の改善がみられます。ですが、必ず1週間後に再検査をして、尿中の白血球や初回時の尿培養結果をチェックしてもらうことが重要です。 自覚症状がなくなったからといって、2日〜3日で服用を中止すると、また膀胱炎が再発したりします。
症状がなくなったのに、尿検査で血尿が続いている場合は、膀胱鏡を使って、膀胱ガンの有無の検査をします。 また、症状が長引く場合は、結核性や他の基礎疾患、膀胱結石、神経因性膀胱、男性の場合ですと尿道狭窄、前立腺肥大症などについての検査をしてもらうことが重要となってきます。
膀胱炎になっても、家で安静にして寝ている必要はありません。
一般的に、病院での受診時に、患者さんは排尿痛や頻尿から逃れようと水分を制限しがちになりますが、膀胱炎の治療では水分を多く摂取することが重要です。 多くの水分を摂取して、膀胱内の細菌を洗い流すことが、症状を早く軽減させる効果的な方法です。
年に3回以上、繰り返して急性膀胱炎になる場合は、日頃から多めに水分を取り、尿意を我慢せずに排尿する習慣をつけましょう。 また、基礎疾患、膀胱ガンがないかどうか、泌尿器科で膀胱鏡検査をしてもらいましょう。
陰部を清潔に保ち、不潔な性行動は行わないことです。
日頃から、水をたくさん飲み、頻繁に排尿する習慣をつけましょう。膀胱に侵入した細菌は排尿によって体外に出されますが、排出よりも細菌の繁殖が多くなると膀胱炎になってしまいます。