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前立腺ガンの除外診断 |
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50歳以上の人で、排尿障害を訴える患者さんには、まず前立腺ガンの除外診断を行います。
血液中の前立腺腫瘍マーカー(PSA)の値を測定することが重要となります。
肛門から指を入れ、経直腸的に前立腺を触診することも、ガンの鑑別診断に重要な検査となります。 |
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前立腺肥大症の評価 |
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基本的評価 |
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全般的な健康状態、排尿障害をきたす合併症の有無、既往症の有無、副作用として排尿障害を引き起こす薬剤の服用がないかどうかの確認を行います。
尿検査、腎機能検査を行います。
排尿に影響するおもな薬剤 |
咳止め・風邪薬 |
ダンリッチ、PL顆粒、ネオフィリン、市販されている風邪薬のほぼすべて |
胃潰瘍薬 |
コランチル、メサフィリン |
抗パーキンソン病薬 |
アーテン、ドパール、アドパー |
抗うつ薬 |
トフラニール、メレリル |
精神安定薬・睡眠薬 |
セルシン、ホリゾン |
麻薬 |
MSコンチン |
強心薬 |
ジゴキシン |
利尿薬 |
ラシックス |
その他 |
抗ヒスタミン薬、リスモダン、リザベン |
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前立腺肥大症の重症度の判定-国際前立腺症状スコア |
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国際前立腺症状スコア(IPSS)では、7種類の自覚症状の強弱をそれぞれ点数化しました。ひとつの症状につき0点〜5点の6段階に点数化されています。
合計点で重症度を評価します。もっとも症状の強い人は35点になります。
前立腺肥大症の重症度判定
国際前立腺症状スコア(IPSS) |
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まったくなし |
5回に1回の割合未満 |
2回に1回の割合未満 |
2回に1回の割合 |
2回に1回の割合以上 |
ほとんど常に |
最近1ヶ月間、排尿後に尿が残っている感じがありましたか? |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
最近1ヶ月間、排尿後2時間以内にもう1度行かねばならないことがありましたか? |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
最近1ヶ月間、排尿途中に尿が途切れることがありましたか? |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
最近1ヶ月間、排尿を我慢するのがつらいことがありましたか? |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
最近1ヶ月間、尿の勢いが弱いことがありましたか? |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
最近1ヶ月間、排尿開始時にいきむ必要がありましたか? |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
最近1ヶ月間、床に就いてから朝起きるまでに普通何回排尿に起きましたか? |
0回 |
1回 |
2回 |
3回 |
4回 |
5回以上 |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
合計点 |
点 |
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前立腺肥大症の重症度の判定-QOLスコア |
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QOLスコアは、患者さんがどれほど日常生活に困っているかを、0点〜6点の7段階の点数によって評価します。
QOLスコア |
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大変満足 |
満足 |
大体満足 |
満足・不満足のどちらでもない |
不満気味 |
不満 |
大変不満 |
現在の排尿の状態が、今後一生続くとしたらどう感じますか? |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
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最大尿流量率 |
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排尿時の尿線の勢いを調べる検査です。
記録機械に接続された小用便器に排尿するだけで、1秒間に最大何mlの尿が排出されたか記録されます。 |
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残尿量 |
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排尿後にどのくらいの量の尿が排出されずに残ってしまっているか、超音波を使って検査をします。 |
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前立腺容積 |
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前立腺が腫大しているかどうかを、超音波検査で調べます。
前立腺の腫大が認められない場合は、膀胱の排尿機能の異常や、尿道狭窄などの鑑別診断を行います。 |
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重症度判定 |
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これらの問診・検査により、前立腺肥大症の重症度を診断します。
前立腺肥大症の領域別重傷度判定基準 |
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国際前立腺症状スコア |
QOLスコア |
機能
最大尿流量率(Qmax)、残尿量(RU) |
形態
前立腺容積 |
軽症 |
0〜7 |
0〜1 |
15ml/秒以上、50ml未満 |
20ml未満 |
中等症 |
8〜19 |
2〜4 |
5ml/秒以上、100ml未満 |
50ml未満 |
重症 |
20〜35 |
5〜6 |
5ml/秒以上、100ml以上 |
50ml以上 |
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