無症状 不正性器出血 性交渉時の接触による出血 帯下(たいげ)の増量 腰痛 下肢の浮腫(ふしゅ)
子宮膣部びらん(しきゅうちつぶびらん) 頸管ポリープ(けいかんぽりーぷ) 膣炎(ちつえん) 子宮筋腫(しきゅうきんしゅ) 子宮体ガン 子宮肉腫(しきゅうにくしゅ) 絨毛ガン(じゅうもうがん)
出血 貧血 頻尿(ひんにょう) 血尿 排尿障害 下肢の浮腫 尿瘻(にょうろう) 尿毒症 便秘 血便 下腹部痛 腹痛 腸閉塞 糞瘻(ふんろう) セキ 血痰 胸痛 感染症
婦人科の悪性腫瘍の中では、もっとも数多くみられます。 子宮はナスビのような形をしており、首の部分を子宮頸部といい、頭の部分を子宮体部といいます。子宮頸部に発生するガンのことです。 子宮体部にできるガンを子宮体ガンといいますが、ガンの性質や治療法はまったく違ったものとなります。
子宮頸ガンの5年治癒率では、T期では84.7%です。進行するに従って治癒率が低下し、W期では14.1%になります。 病気の発見が早ければ早いほど、治療成績も良くなります。
初診時の患者さんの年齢は、30歳代から増加し始め、60歳代でピークになります。以後、減少する傾向にあります。
死亡診断書による統計では、毎年約4500人の方が子宮頸ガンによって死亡しています。
性経験のない子宮頸ガン患者さんは一人もいません。したがって、性行為による何らかの感染が子宮頸ガンの原因と考えられます。 最近の研究では、ヒトパピローマウイルスというイボをつくるウイルスの感染が原因であることが判明しました。
ヒトパピローマウイルスに感染してガンになる確立は、5%〜10%程度と考えられています。感染しても、細胞がガン化するまでに6ヶ月〜数年かかります。 タバコの喫煙することによって、危険度が上昇します。
ごく初期段階では、ほとんど症状はありません。 病気が進行するに従って、不正性器出血、接触出血、帯下の増量などを自覚するようになります。 なお、不正性器出血は、排尿、排便などでお腹に力がかかる時に起こることもあります。更年期や、月経不順の人は、不正性器出血を不順な月経と誤認することがあるので注意が必要です。
病巣が大きくなると出血が持続し、大出血となることがあります。 ガンの浸潤(しんじゅん)、転移の仕方によって、腰痛、下肢の浮腫、尿毒症、胸痛などの症状があらわれます。
できるだけ早く病気を見つけ、治療を受けることが大切になります。 1年に1回、子宮頸ガン検診を受けるのが理想的です。不正性器出血などの症状に気が付いた時は、なるべく早くガン検診を受けましょう。
一般的な子宮ガン検診は、子宮頸ガン検診になります。子宮頸ガン患者さんの多くは、18歳〜40歳です。 更年期以降の女性では、性病である子宮頸ガン検診よりも、子宮体ガン検診の方が必要になってきます。 なお、卵巣にできる子宮内膜症(チョコレート嚢胞)、卵巣ガン、卵管ガンは、経腟超音波(けいちつちょうおんぱ)で診断します。
粘膜内にとどまっているガンで、転移がないので局所の治療のみで治癒します。子宮を摘出する必要はありません。 高周波電気メスによる子宮頸部の円錐切除を行います。手術時間は5分〜15分程度でで、日帰り手術が可能です。
広汎子宮全摘術という手術が行われます。レーザー治療、放射線照射などの治療法もあります。 T期では5年生存率は約90%、再発率は約15%です。U期では5年生存率は約75%、再発率は25%〜30%です。
骨盤を越えて遠隔転移している可能性が高いため、全身療法である化学療法を初回治療として行います。抗ガン剤によりガンを小さくし、その後、手術を行います。ネオアジュバント療法と呼ばれています。初回治療での根治手術は不可能です。 5年生存率は約40%です。
一般的には治りません。 化学療法を先に行い、その後に手術・放射線照射を行います。欧米では化学療法と放射線療法を同時に行う治療法が主流です。 5年生存率は約10%です。
ヒトパピローマウイルスの感染が原因となることから、性交時にはコンドームの使用が予防にはもっとも効果的です。 また、不特定多数の人と性交渉を持たないことです。