状態を確認すること
消化管の出血を起こす要因としては、炎症による潰瘍、動脈血流が低下する虚血(きょけつ)による組織の障害、静脈の破綻、痔出血、憩室出血(けいしつしゅっけつ)、腫瘍からの出血などがあります。
診断の際に参考となるので、便の色、出血の量、腹痛の有無、肛門部痛の有無、吐き気、発熱、体重の変化、現在までの腹部疾患、薬の使用状況などを、メモを取り診察の際に医師に見せましょう。
検査と診断
下血の場合は、まずは胃の内視鏡からの検査が行われます。
血便では、肛門から指を入れて直腸を指診する検査が行われます。しかし、指診では肛門部と、下部直腸しか調べることができません。
精密検査には、大腸内視鏡検査がもっとも有効です。診断と同時に治療が行える場合もあります。
しばしば病気とは無縁の場合も
赤、黒、緑などの便が出たからといって、必ずしも病気であるとは限りません。
トマト、スイカ、赤唐辛子などを食べた場合、小片がそのままの形で便に混じることもあります。
肉、魚を食べた場合、それらに含まれている血液が便に混じって黒くなることもあります。増血剤、一部の下剤の服用が原因で、便が黒くなることもあります。
抗生物質の種類によっては、緑色の便が出ることもあります。 |