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言葉のリズムの乱れ 最初の子音や音節の反復 最初の子音を長引かせる 話すとき眉をしかめる 話すときまぶたを閉じる 話すとき足をばたつかせる
吃音とは、話し言葉のリズムの障害です。概念的にはチック症、吃音、習慣異常は区別されていますが、臨床的には互いに重なりあっており、類似しています。 話し言葉のリズムが乱れ、最初の子音や音節を反復したり、最初の子音を長引かせるような話し方をします。また、話しながら眉をしかめたりといったチックと良く似た動作をともなうことがあります。
言葉の数が急に増え、話が活発になる2歳半〜5歳頃の時期にみられます。この時期の子供は、近所の友達との遊びに没頭したり、幼稚園で楽しいことをたくさん経験し始めます。話したいことが頭の中に山ほどあって焦ってしまい、話し方のリズムが乱れてしまうことがあります。 完璧主義的な親は、このような子供の話し方に敏感になり、注意したり、干渉したりして、話し言葉のリズムの乱れを固定化してしまいます。 チック症、習癖異常、抜毛狂(トリコチロマニア)なども、これと同じ原理が働いています。
興奮しているときは、誰でも話すリズムが乱れてしまい口ごもってしまうことがあります。ですので、話し言葉のリズムの乱れは、普通の現象であり、障害や病気と考えるべきものではありません。 吃音という言葉のないインディアンには、吃音の子どもがいないといわれています。イギリスでは、やや口ごもって喋るのが紳士のたしなみのひとつだとされています。
吃音を心配して相談にくる両親の多くが、子どもを叱ることが多く、几帳面で完全主義的な育て方をしています。 子供が口ごもると、「もっとゆっくり話しなさい」と注意したり、無理矢理直そうとしたり、不快さを表情に表します。こうすることによって、子供は自分の話し方が注目されていることに気が付き、話す前から緊張し、いっそう口ごもってしまいます。
親から注意されないように上手に、完璧に、話そうとする子どもの緊張やプレッシャーは相当なものです。話し方が少しくらいあわてていても、心を弾ませながら楽しそうに話をしてくれることの方がもっと大切なことです。