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子供のうつ病(鬱病・欝病)


子供のうつ病の概要は?

おもな症状

  幼児期
 ・遊びが単調
 ・理由もなく泣く
 ・極端に臆病
 ・食欲不振
 ・睡眠障害
 

小学生
 ・カンシャク
 ・感情表現が乏しい
 ・非創造的
 ・友達付き合いができない
 ・集中力がない
 ・執拗な癖(夜尿、爪噛み、性器いじりなど)

 

中学生
 ・物事にこだわる
 ・自殺の話が多い
 ・劣等感
 ・気分が変わりやすい
 ・頭痛や腹痛をよく訴える

症状がよく似ている病気

 

身体的な病気の初期
軽い意識障害
統合失調症(精神分裂病)
衝撃的出来事(ストレス)への反応
登校拒否


子供のうつ病ってどんな病気?

精神と身体の活力が低下

 

イメージ画像 憂鬱な気分と自責感を主症状とする精神障害で、精神と身体の活力が全体的に低下している状態です。うつ病よりは軽い状態のものを含めて、憂鬱な気分の状態を一般に『うつ状態』と呼ばれています。
 児童精神科外来を訪れる子供たちの13%〜25%は色々な程度のうつ状態を示しています。2対1で男児に多いようですが、思春期以降は性差はありません。
 口数が多く、活動量が増す躁状態と交互にみられることもあります(躁うつ病、双極性感情障害)。


子供のうつ病の原因は?

多くは親子関係・学校・友達が原因

 

 うつ病の原因はまだ解明されていません。
 しかし、子供のうつ状態の75%は、親子関係、学校状況、友人関係などの心理学的な原因によるといわれています。体質、または脳の気質的な原因によるものは6%〜8%といわれています。


子供のうつ病の症状は?

おもな現れかた

 

イメージ画像 とくに理由がないのに、表情が乏しく、行動量と活動性が減少し、好きなテレビも見ず、友達や遊びに関心を示さなくなります。また、食欲がなくなり、体重が減少し、眠りが浅く、イライラして怒りっぽくなります。
 一般に、朝方は調子が悪く、夕方になると気分が落ち着いて、元気が出てきます(日内変動)。頭痛、吐き気、腹痛などの身体症状を訴えて学校に行きたがらず、成績が低下してくることもあります。

年齢による現れかたの違い

 

幼児期

   

 学齢前の幼児では、遊び方が単調で、創造的ではなく、理由もなく泣くことが多く、極端に臆病で、食欲不振、睡眠障害などがみられます。

 

小学生

   

 小学生では、カンシャクをおこしやすく、嬉しいという感情の表現が少なく、創造的な遊びができず、友達との触れ合いが少なく、集中力に欠け、勉強が苦手、夜尿、爪噛み、性器いじりなどの癖がみられます。

 

中学生

   

 中学生では、物事へのこだわりが多くなり、自殺について話すことが多く、友達に対する劣等感があり、気分が変わりやすくなり、頭痛・腹痛などの身体症状をしきりに訴えます。『憂鬱な気分』と『自責的な考え』を訴えるようになり、『死んでしまいたい』といって考え込んでしまうこともあります。

ほかの病気との違い

 

 憂鬱な気分は、健康な子供にもよくみられることで、それだけですぐに病的なものと断定することはできません。身体的な病気のかかりはじめにみられるけだるさや元気のなさ、さらに軽い意識障害をうつ状態と見誤ることもあります。統合失調症(精神分裂病)でも、うつ状態がよくみられますし、近親者の突然の死去、離別などによって、反応性のうつ状態がみられることがあります。いわゆる登校拒否との区別は、容易ではありません。


子供のうつ病の治療法は?

まずできること

 

 うつ状態は時期がくれば必ず治ります。いたずらに勇気付けたり、励ましたりしてはいけません。自責感の強い子供は、かえって重荷となり、自分を追い込んでしまいます。心のエネルギーが充電するまで、じっくり待っていてやることが大切です。

生活環境の問題を解決していく

 

 両親、兄弟姉妹、家族、友達などとの緊張した人間関係、学校や習い事でのストレス、精神的な外傷体験などが認められる場合には、子供とじっくり話し合い、子供が自ら問題を解決していくようにサポート(カウンセリング)します。

専門医による薬物療法

 

イメージ画像 抗うつ薬や、精神安定剤を用いることがあります。最近は、安全で効果が早く出る有用な抗うつ薬が開発されています。
 専門医からの薬物療法についての説明を、納得がいくまで聞いた上で、服薬させることが大切です。


子供がうつ病かなと思ったら?

かかりつけの医師か専門医に相談を

 

イメージ画像 子供のうつ状態は、色々な原因が考えられます。素人判断せずに、児童精神科の専門医に相談してください。
 うつ状態と診断されたら、焦らずに根気よく回復を待ってやることが大切です。時間がたてば必ず元気になるので、元気になってから将来の歩むべき道を考えるようにしましょう。
 子供によっては、毎年決まった季節に憂鬱になることがあるので、注意して観察し、早めに抗うつ薬を服用させることが大切です。
 子供のうつ病の特徴として、大人に比べて回復は早いですが、再発率が高いと言われています。

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