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薬物療法 |
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肺マック症は治療が難しく、慢性化する例が大部分を占めます。肺ガンなどと異なり、早期に診断するメリットは高くなく、病気と共存する心構えの方が大切になります。
症状が比較的強いか、進行が早い場合、抗菌薬を投与します。
結核治療薬でもあるリファンピシン(RFP)、エタンブトール(EB)に、一般抗菌薬であるクラリスロマイシン(CAM)を併用する治療法が、現在の世界標準となっています。重症例では、初期に約2ヶ月間、ストレプトマイシン(SM)の筋肉注射を加えることもあります。
治療は喀痰から菌が培養されなくなってからさらに1年間以上行います。しかしこの治療によって、結核のように治癒するわけではなく、治療終了後も再発・再悪化を繰り返し、慢性化する例が多いのが現状です。 |
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日常生活上の注意 |
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日常の活動は、2割〜3割程度、控え目にするようにしましょう。
風呂などの水周りから感染すると考えられているので、水周りの清潔保持に留意するようにしましょう。シャワーなど、狭い空間に水しぶきが充満する環境は、できるだけ避けるようにしてください。 |
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喫煙者の男性 |
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喫煙者で、特に男性の場合に発症するマック症の中には、エックス線検査やCT検査で肺の上の方に空洞がみられるタイプがあります。
このような例では一般に進行が早いため、診断された時点で抗菌薬を投与するとともに、外科手術を考慮します。空洞が肺の一部分に限局し、すえて切除できることが基本的な条件となります。
手術の有無にかかわらず、禁煙を強く勧めます。 |