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 鳥インフルエンザ・高病原性鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザってどんな病気?
A型インフルエンザの仲間
  イメージ画像 A型インフルエンザウイルスの中でも、ニワトリ、ウズラ、アヒル、七面鳥などの家禽に対して、100%近い致死率を持つ鳥型インフルエンザウイルスによる感染症です。
 ウイルス亜型としては、H5N1、H7N7があります。
人への感染
   ウイルスに感染した鳥に濃厚に接触し、その体液、排泄物に接触し吸飲することで、ヒトにも感染します。
人から人への感染
   H5N1型ウイルスによる感染では、ヒトでの致死率は約70%にもおよびます。2009年4月現在では、ヒトからヒトへの感染例は確認されていません。
 H7N7型ウイルスによる感染では、オランダで1人の死者が出ています。致死率は低いと考えられています。H7N7型ウイルスは、ヒトからヒトへ伝播することがすでに確認されています。
新型インフルエンザ発生の可能性
   新型インフルエンザウイルスは、鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染し、ヒトの体内で増えることができるように変化し、ヒトからヒトへと感染できるようになったものです。このウイルスが感染して起こる疾患を新型インフルエンザと呼びます。
 新型インフルエンザウイルスはいつ出現するのか、予測することができません。世界中の人々にとっては未知のウイルスのため、ほとんどのヒトは免疫を持っていません。これは容易にヒトからヒトへ感染し広がり、急速な世界的大流行(パンデミック)を起こす危険性があります。

鳥インフルエンザの症状は?
潜伏期間
  イメージ画像 潜伏期間は3日〜7日だと考えられています。感染性のある時期は、発症前日から発症後7日間程度だと考えられています。
おもな症状
   症状は通常のインフルエンザと良く似ています。発熱、呼吸器症状、全身倦怠感がおもな症状です。さらに、急速な呼吸不全、全身症状の悪化、多臓器不全の合併症を起こして死に至ることが、最近の感染事例からわかってきました。
 H7亜型ウイルスでは、結膜炎の症状を示すことがわかりました。

鳥インフルエンザの診断は?
インフルエンザ迅速診断キット
  イメージ画像 高病原性鳥インフルエンザはA型インフルエンザウイルスのため、インフルエンザ迅速診断キットで検出可能です。
 しかし、検出感度が低いことから見逃してしまうことも多く、陰性であっても感染を否定することができません。
 したがって、鳥インフルエンザに感染した鳥との接触歴など、疫学的な背景を考慮した臨床診断が優先されます。今後、鳥インフルエンザに対しても有効な、インフルエンザ迅速診断キットが開発されると思われます。
他にも必要な検査
   インフルエンザ迅速診断キットでは、亜型の特定をすることはできません。陽性であっても通常のインフルエンザとの区別をするため、H5ウイルスや、H7亜型ウイルスの特異的遺伝子検出検査、ウイルス分離による確認を行なう必要があります。

鳥インフルエンザの治療法は?
タミフルとリレンザ
  イメージ画像 A型インフルエンザには、有効な抗インフルエンザ薬があります。タミフル、リレンザが有効で、発症した場合は48時間以内の服用が効果的です。
 また、病鳥に濃厚に接触する可能性の高い職業では、医療用マスク(N95)、ゴーグル、防護服などを着用し、感染防御を徹底するとともに、抗インフルエンザ薬の事前服用が有効です。
インフルエンザワクチンのススメ
   通常のインフルエンザの流行期に、通常のインフルエンザウイルスと高病原性鳥インフルエンザウイルスの同時感染によって、新型インフルエンザが出現する可能性があります。
 新型インフルエンザ出現を予防するために、インフルエンザワクチンの接種が望まれます。

鳥インフルエンザかなと思ったら?
感染の可能性
  イメージ画像 ニワトリなどの病鳥との接触歴、それに関連した職業、鳥インフルエンザの流行地域への渡航歴の有無。これらによって、患者さんへの初期対応が異なってきます。
医療機関と自治体の対応
   接触歴があり、発熱などの症状が現われている場合、医療機関は「4類感染症発生届」によって、すみやかに最寄の保健所に「疑い例」として届けなければなりません。
 報告を受けた自治体では、検査に必要な検体を確保し、インフルエンザのウイルス学的検査が行なわれます。
患者さんは入院
   患者さんは原則として入院管理が理想的です。
 もし外来管理となる場合は、ヒトへの感染を防ぐためのマスクの着用、手洗いの敢行、人ごみには出ない、他の人との接触を可能な限り避けるなど、さまざまな処置が必要となります。
入院治療では
   入院治療の場合は、個室管理が原則となります。
 現在はヒトからヒトへの感染は起こっていませんが、医療従事者への感染防御のために使い捨て手袋、マスク、メガネ、使い捨てガウンなど、接触感染や飛沫感染の予防を行なう必要があります。

鳥インフルエンザの予防法は?
最新の情報
  イメージ画像 最新の情報に関しては、国立感染症研究所のホームページで情報が公開されています。
国立感染症研究所
新型インフルエンザは発生したとき
   日本政府では人口の4分の1が感染し、2500万人が医療機関を受診すると推定しています。
 過去に流行したアジアインフルエンザやスペインインフルエンザのデータに基づいて推計すると、入院患者は53万人〜200万人、死亡者は17万人〜64万人と推定されています。

新しいインフルエンザ
豚インフルエンザ
  イメージ画像 2009年4月、メキシコでは、インフルエンザ症状を示す比較的重い呼吸器疾患が流行しているとの情報があります。また、アメリカでも、ヒトの間で豚インフルエンザウイルス(H1N1亜型)によるインフルエンザが発生しています。
 H1N1型は現在も冬に流行するAソ連型と同じ型のため、世界中の人がこの型のウイルスに対して免疫を持っています。従来の豚インフルエンザよりも致死率が高く、これまでにないウイルスになっている可能性が指摘されています。H5N1型に限らず、別の型でも鳥から豚に感染し新型インフルエンザとなって感染が広がる可能性が懸念されています。
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