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抗生物質の内服 |
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抗菌薬の内服が基本的な治療法です。通常、ペニシリン系抗菌薬が最初に選択されます。
内服を始めて1週間以上効果がみられない場合、内服後の鼓膜の変化、細菌検査の結果などを参考にして、もっとも効果的な抗菌薬に変更します。
症状が軽く、薬剤耐性菌がいない場合は、抗菌薬を使わずに鎮痛薬の内服だけで経過観察を行うこともあります。
耐性菌が原因菌と診断された場合、点滴静注、局所の洗浄などが行われます。 |
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鼓膜の切開 |
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膿汁(のうじゅう)が鼓膜内に充満する場合、鼓膜切開を行うことで、発熱、耳痛などの症状を軽快させることができます。鼓膜切開はイオントフォレーゼという麻酔方法で比較的容易に外来で行えますが、鼓膜の炎症が強い場合はすでに鼓膜の知覚神経が麻痺しているため、無麻酔でも鼓膜切開が可能です。
鼓膜は切開しても数日で閉鎖し、難聴などの後遺症は残さないので、必要な時は怖がらずに鼓膜切開を受けてください。 |
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同時に行う他の病気の治療 |
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急性中耳炎の患者さんでは、同時に鼻炎や上気道感染をともなっていることが大半のため、鼻炎や上咽頭の治療が必要になります。
膿性鼻汁(のうせいびじゅう)の多い患者さんでは、吸引、鼻洗浄などの処置を行います。 |
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重症の場合 |
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重症の患者さんには、点滴静注が行われます。
発熱が続いたり、難聴、顔面神経麻痺などの合併症が生じた場合、乳突削開術(にゅうとつさくかいじゅつ)と呼ばれる緊急手術による排膿が必要になります。 |
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繰り返す場合 |
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中耳炎を繰り返す反復性中耳炎は、アデノイドなど鼻咽腔(びいんくう)に細菌が常在し、耳管を経て中耳腔に細菌が感染する場合と、滲出性中耳炎のように中耳腔に慢性的に浸出液が溜まっている場合が考えられます。
鼻咽腔の感染巣に対する治療や、鼓膜チューブの留置を行う場合もあります。 |