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年齢によって変わる治療法 |
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中耳周囲の空間の発達がよい場合は、治療法を選択する際には参考になります。
学齢期になると自然に治癒することが多いので、保存的治療が基本となります。 |
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基本的な治療法 |
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耳管機能に影響する鼻咽腔の炎症を取り除くために、鼻ネブライザー、さらに耳管通気(じかんつうき)が行なわれます。
また、マクロライド系抗生剤の少量長期投与や、抗アレルギー薬、粘液調整薬、漢方薬なども併用されます。 |
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軽症の場合 |
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軽症の滲出性中耳炎の場合は、経過観察ですます場合もあります。しかし悪化時には、適切な対応が重要となります。 |
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発育に影響を与えることも |
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4歳を過ぎても保存的治療の効果がない場合、または難聴が30dB(デシベル)以上の場合、発育にも影響を与えてしまうので、積極的に鼓膜切開(こまくせっかい)が行なわれます。
鼓膜切開とは、乳幼児でも外来で簡単に行なうことが可能で、感染がなければ鼓膜の穴は数日で閉鎖するので心配はいりません。 |
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重症の場合 |
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鼓膜切開を繰り返し行なってもすぐ再発してしまう場合や、鼓膜の陥没が強い場合には、鼓膜を切開し、穴が塞がらないように細いシリコン性チューブを置き、外耳道を経由して換気できるようにします。
乳幼児では、体動による損傷を防ぐために、全身麻酔が必要となります。
中耳が正常化するまで、長期間の留置が望ましいので、定期的に耳鼻科の診察を受ける必要があります。 |
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合併症など |
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耳に水が入ると中耳炎を起こす危険性があります。入浴時や水泳時などには、耳栓を使うなどの生活指導が必要です。
アデノイド肥大によって耳管を圧迫している場合や、扁桃肥大があり感染を繰り返す場合には、アデノイド切除術、口蓋扁桃切除術(こうがいへんとうせつじょじゅつ)を行なうこともあります。 |