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抗TSHレセプター |
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バセドウ病では抗TSHレセプター抗体が陽性になるため、甲状腺機能亢進症であって抗TSHレセプター抗体が陰性であれば、無痛性甲状腺炎の可能性が大きくなります。 |
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放射性ヨード摂取率 |
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亜急性甲状腺炎の診断と同様に放射性ヨード摂取率を測定すると、バセドウ病では高値になりますが、無痛性甲状腺炎ではきわめて低値になるため区別することができます。
放射性ヨード摂取率の測定はどの病院でもできる検査ではないので、自覚症状が強くない場合、無痛性甲状腺炎と考えて治療を行わずに経過を見ることもあります。 |
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甲状腺ホルモン |
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無痛性甲状腺炎の場合、最初は甲状腺組織が破壊されるため、濾胞(ろほう)に蓄えられた甲状腺ホルモンが血液中に漏れ出してきて、甲状腺ホルモンが高くなります。
無痛性甲状腺炎はバセドウ病と異なり、ホルモンが過剰に作られるわけではありません。そのため1ヶ月〜2ヶ月経過すると、甲状腺ホルモンは低下していき、反対に甲状腺機能低下症になります。甲状腺機能低下症は2ヶ月〜3ヶ月で治り、普通は元の正常な甲状腺機能に戻ります。
無痛性甲状腺炎の患者さんの約20%で、永続的な甲状腺機能低下症になるので、最後まできちんと経過をみることが大切になります。 |
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繰り返す無痛性甲状腺炎 |
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一部の症例では、毎年同じ時期に無痛性甲状腺炎を繰り返すことがあります。
経過は亜急性甲状腺炎と似ていますが、前頸部(ぜんけいぶ)の痛み、発熱、赤沈の亢進などの炎症症状がないので、区別は比較的容易です。 |