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半月板損傷

半月板損傷の概要は？

おもな症状

軽症であれば無症状
膝を曲げるとクリっと音がする
膝が曲がらない

症状が似ている病気

靭帯損傷
関節内遊離体（かんせつないゆうりたい）
離断性骨軟骨炎（りだんせいこつなんこつえん）
膝蓋軟骨軟化症（しつがいなんこつなんかしょう）

起こりやすい合併症

靭帯損傷

半月板損傷ってどんな病気？

以前は膝内障と呼ばれました

　以前は膝関節の嵌頓症状を示す一連の疾患を総称して、膝内障と呼んでいました。現在では、それぞれ独立した診断名が確立されました。

半月板とは

　半月板は弾性に富んだ線維軟骨でできていて、大腿骨と脛骨（けいこつ）の内側、外側の透き間にあります。関節の適合性を良くして安定性を与え、荷重のストレスを吸収分散するクッションの役目もしている三日月形のものです。
　この半月板は、膝にひねりが加わるスポーツ活動で損傷を起すことがあります。

内側半月板損傷と外側半月板損傷

　内側半月板損傷（ないそくはんげつばんそんしょう）は、スポーツによる外傷で発症することが多いです。膝のスポーツ外傷として、もっとも頻度の高い障害です。
　外側半月板損傷（がいそくはんげつばんそんしょう）は、生まれつき半月板が大きい場合（円板状半月板）に発症することが多いです。

靭帯損傷の合併症

　半月板損傷では、単独で起こる場合と、靭帯損傷に合併して起こる場合とがあります。

半月板損傷の症状は？

無症状から膝が曲がらなくなるまで

　半月板が切れても、小さな傷であれば無症状だったり、疼痛のみで特徴的な症状がないことが多いです。明らかな外傷がなくても、膝の伸展障害をしめします。
　断裂が大きくなると、膝の中でクリッという音がするクリック、ひっかかり感などの症状があらわれます。さらに症状が悪化すれば、半月板の断片がはさまって膝が曲がらなくなるロッキングなどの症状があらわれます。

関節に血や水がたまる

　受傷直後には、関節に血がたまったりすることがあります。
　また、関節に水がたまることもあります（関節水症）。

半月板損傷の診断は？

MRI検査

　半月板に損傷がある場合、以前は関節造影が行われていましたが、現在ではMRI検査で信号変化、形状と位置の異常を確認します。

関節鏡検査

　関節鏡検査では、麻酔下で内視鏡を用いて、直接膝の中を見る検査をおこないます。そのまま手術に移行することもできます。

半月板損傷の治療法は？

手術療法

　症状があり、スポーツ活動に支障があれば、保存療法よりも、手術療法が適しています。

いくつかの治療法

　半月板損傷の部位、形状、合併損傷の有無などによって、手術法が選択されます。手術法には、半月板切除術、半月板部分切除術、半月板縫合術のいずれかが選択されます。
　どの手術法も、関節鏡を用いて手術を行うのが一般的です。
　術後の成績は良好で、スポーツをすることも可能です。

半月板損傷の予防法は？

準備運動をしっかりと

　膝の捻挫など、不慮の事故を予防するために、日頃からのストレッチ運動や、スポーツ前のウォーミングアップを入念に行いましょう。

半月板損傷かなと思ったら？

整形外科へ

　もし半月板損傷を起してしまった場合、RICE療法を行います。
　膝が伸びなくなるロッキングを起してしまった場合、なるべく早くに整形外科を受診するようにしましょう。