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抗生物質の投与 |
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急性化膿性乳腺炎と診断されたら、すぐに有効な抗生剤の内服や注射、消炎薬の内服を行います。乳頭の傷には、抗生剤入りの軟膏を塗布します。
授乳は中止し、氷嚢などを使って乳房を冷やす冷罨法(れいあんぽう)などを行って疼痛などの症状の軽減をはかります。乳汁うっ滞に対しては、搾乳機(さくにゅうき)を使用して、搾乳し乳汁うっ滞を除きます。
乳汁うっ帯が強い場合、一時的に乳汁の分泌を抑制する薬が処方されることがあります。
急性化膿性乳腺炎の治療は、授乳期という特殊な時期・環境で困難な場合も多くなってしまいます。 |
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貯まった膿を出す |
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治療しているにもかかわらず膿の塊である膿瘍が形成されてしまった場合、穿刺排膿して、膿瘍内を洗浄し、抗生物質を注入します。穿刺排膿でも効果がない場合や、症状が激しい場合は、膿瘍部の皮膚を切開して排膿します。
的確な切開、排膿はとても効果的です。切開の方法には、乳輪切開法、輪状切開法などがあります。
炎症の激しい時期に切開を行うと、のちにケロイドが残ってしまいます。 |
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耐性菌の存在 |
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急性化膿性乳腺炎の治療過程で、初めてペニシリン耐性ブドウ球菌が発見されました。
このことから、抗生物質による治療だけを続けることには、問題があります。 |