内湾の潮間帯付近の岩礁、防波堤、岸壁などに付着して生息する、イタボガキの仲間。本来は干潟の砂礫に付着し生息し、軽量の殻を伸ばして成長します。
殻長は約9cm、殻高は約6cmになります。殻はやや薄く、左殻はやや深く膨らみ、右殻は浅いです。左殻の頂部で、他物に付着します。殻表は黄白色の地に、紫色の放射状突起があります。殻表面の成長肋は、薄板を重ねたようになっていて粗いです。殻形は卵円形ですが、殻形の変化は激しい。
卵生で産卵は6月〜7月、栄養状態によって性が変わります。栄養状態が悪いと、オスになります。
潮間帯の岩礁に固着し、密集してカキ礁を作ります。
食用として宮城県や広島県で、大量に養殖されています。ホタテガイの殻などに付着させて採苗します。養殖ものでは殻高は10cm以上になり、北海道のナガガキは30cmにもなります。世界では紀元前1世紀頃から養殖が行われ、日本では1673年、広島県で小林五郎左衛門によって養殖が始められました。
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