山地の暗く湿った広葉樹林やスギ林の中で普通に見られる常緑低木〜小高木。
耐陰性が強く、生長は遅く、高さは約5mになります。枝は比較的まばらで、まとまりのない樹形になります。樹皮は暗褐色で、縦に粗く裂けて、短冊状に剥がれ落ちます。
葉は左右に2列に並んで付き、長さ3cm〜5cm、幅3mm〜4mmの線形で、表面は暗緑色です。裏面には白い気孔帯が2本あります。
雌雄別株ですが、まれに同株もあります。雄花は前年の葉腋に6個〜10個、集まって付き、直径約1cmの花序を作ります。雌花は枝先に付き、広卵形の鱗片の腋に胚珠が2個付きます。
種子は長さ2cm〜2.5cmの卵形です。はじめ緑色で、翌年の9月〜10月に紅紫色に熟します。外種皮は肉質で、甘味があります。
材は耐朽性が高く、粘りがあります。現在は利用されませんが、縄文時代の遺跡からは弓が出土しています。葉はイチイ科のイチイやカヤに良く似ています。カヤは葉の先端が硬く、イチイは柔らかいです。 |