キブシの果実

[和名・種類]

キブシ

[学名]

Stachyurus praecox

[英名]

[名前の由来]

木五倍子。果実をフシ代用としたため。
別名、キフジ、マメフジ、マメブシ。

[分布]

日本各地

[科名]

キブシ科キブシ属

[花色]

淡黄色（果実：緑色に掲載）

[花期]

３月・４月

[特徴・解説]

　雑木林、林縁、山地の道端など、湿り気と日陰を好む落葉低木～落葉小高木。
　高さは2m～4mになります。樹皮は赤褐色、または暗褐色。本年枝は緑色、たは赤みを帯びた緑色です。稜が2個あり、無毛で少し光沢があります。冬芽の側芽は長さ1.5mm～3mmの広卵形で、先端は尖り、2個～4個の芽鱗に包まれます。頂芽は大きいです。葉痕は半円形で、肩に托葉痕があり、維管束痕は3個です。
　葉は互生し、葉身は長さ6cm～12cm、幅3cm～6cmの長楕円形～卵形です。葉柄は長さ1cm～3cmで、ときに赤色を帯びます。
　雌雄別株です。葉の展開前に開花し、長さ3cm～10cnの総状花序が垂れ下がってつきます。花は長さ6mm～9mmの鐘形で、花弁は4個、萼片は4個です。雄花序は長く、淡黄色。雄しべは8個、雌しべは雄しべより少し短いです。雌花序は短く淡黄緑色。雌しべは花の外へ少し突き出し、雄しべは退化して短いです。
　果実はかたく乾いた液果です。直径7cm～12cmの楕円状球形で、7月～10月に黄褐色に熟します。種子は長さ約2mmです。
　地域によって変異が非常に多いです。髄は灯心に、果実に含まれるタンニンはお歯黒に用いました。

[観察・感想]

　キブシの果実の写真です。
　キブシの果実や花の付き方は、地域によって若干の変異があります。神奈川県の三浦半島ではこんな感じ。千葉県の房総半島でも、同じ感じでした。ネットで検索すれば、地域による違いがわかってくるかもしれない。植物図鑑のウェブサイトは、たくさんの人が解説しているので。
　自分の植物図鑑は、身近な植物ばかりで、珍しい植物は掲載されていないんだよね。植物の写真を撮影するために、遠くに出掛けたりとか、ほとんどしないので・・・。お金があれば、色々な場所に行って、写真を撮りたいんだけどねー。
　キブシの種子は、果実の中にたくさん入っています。果実1個につき、種子も1個というわけじゃなく。なんとなくだけど、果実の形をした種子が1個、入っているような感じがするんだけど。
　昔は、キブシの果実を使ってお歯黒にしたりもしました。今では信じられないけど、昔は黒くて艶のある歯が美しいとされていたんだよー。日本独自の習慣ではなく、アジアでも同じような習慣があったらしい。明治時代になると、お歯黒は禁止されてしまいました。今では、古い時代劇で見る程度かなぁー。もし現代でお歯黒をしている人を見かけたら、正直言ってビックリし過ぎて引いてしまいます(^^ゞ