1933年(昭和8年)〜2008年(平成20年)、JR東京駅丸の内口前に立地し、昭和時代は地下通路を通じて鉄道郵便物のトロッコ輸送が行われていました。トロッコ輸送は1978年(昭和53年)に廃止されましたが、使用されていた地下通路は東京駅構内で現在も利用されています。
郵政民営化の検討の前後から、旧所在・旧庁舎は都心の一等地に位置していることから、再開発で高層ビルに建て替えるべきであると議論されてきました。
2008年(平成20年)6月25日、日本郵政株式会社は東京中央郵便局の具体的な再開発計画を発表しました。既存の局舎は歴史的価値が高く、保存を求める声が強いこと、東京駅などの景観との調和を図るため、外壁を可能な限り保存し、その後ろに接する形で地下4階・地上38階建て、高さ約200mの超高層ビル「JPタワー」を建設する計画となっています。総事業費は千数百億円ですが、年間300億円に達する賃貸収入で、毎年約100億円の利益向上に結びつくと計算されています。
日本建築学会や日本建築家協会では、旧庁舎が戦前の優れた近代建築のひとつで、東京駅前景観の重要な要素となっていることなどから、保存し重要文化財に指定するべきと主張してきました。しかし、日本郵政株式会社の方針を変えることはできず、旧庁舎の3割程度が保存されるのみにとどまりました。
建築物は外観だけでなく、構造そのものが文化財としての価値があるのですが、3割程度しか残らないため重要文化財に指定されることはないと思います。古い物が次々と取り壊されていくのは、実に残念でなりません。再開発によって建設にされるJPタワーは、2012年の竣工を目指しています。 |
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