日本各地に建っている送電線鉄塔。しかし、長井には送電線鉄塔がありません。
その代わり、自衛隊やアメリカ軍のレーダー施設があり、通信関連の鉄塔が数多く建てられています。
これらの電波塔は、警察庁が国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)の短波送信施設として使用していた横須賀通信所です。しかし、通信技術の進歩によって使われなくなっていました。
1999年、旧軍港市国有財産処理審議会(軍転審)で転用が認められ、米軍長井住宅地区跡地に造られました。広さは約3万3500uあり、高さ50mの多重用鉄塔1基、高さ40mの送信用空中線アンテナ2本が撤去されることになりました。東京都中野区にあったアンテナが、周辺のビル開発で十分な機能を発揮できなくなったため、長井に移設されることになりました。
1966年、短波通信による東京局を開局しました。1970年からアジア地域の通信網を集約する地域局の機能を担うようになりました。軍転審の議事録によれば、長井のアンテナはタイのバンコク、インドのニューデリー方面に送信していました。
しかし、ICPOが通信網を地域局の中継を必要としないシステムに高度化をし、2006年には東京など世界9カ所の地域局を廃止しました。その後、横須賀通信所の役割は減少していき、具体的な廃止時期を明らかにしていませんが運用を停止していました。
2016年11月、本格的な撤去工事に入り、2017年3月上旬には解体を終える予定となっています。
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