日本には寛永年間にオランダ船が長崎にもたらしたのが始まりとされ、以来、民衆の愛玩植物となり、明治30年代、大正の初め、昭和初期に大流行しました。
約150属2000種があり、メキシコを中心とした南北アメリカ大陸の乾燥地に広く分布する熱帯植物です。しかし、アンデスなどの標高4000m以上の高冷地に生育するものや、熱帯雨林の樹木に着生するものなどもあります。産地、種類により生態も変われば、形態も千差万別で、植物の環境変異の良い見本となっています。
多くは乾燥に耐えるため葉をなくし水分の蒸散を防ぎ、茎は多肉質となって保水の役目を果たします。トゲは外敵から身を守るためと考えられています。
花はふつう花弁と萼の区別がしにくく、雄しべは多数、雌しべは1本で子房は1室です。
果実は液果で汁が多く、多数の種子ができます。
鑑賞以外にも、トゲなしサボテンの飼料用のほか、薬用植物としても研究が行われています。果実からジャムやゼリーを作ったり、サボテンの漬け物も作られています。また、サボテンに寄生するエンジムシからは染料(コチニール)が採れます。
|