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食物アレルギーの食事療法


食物アレルギーの原因は?
抗原の摂取から
  イメージ画像 アレルギー反応は、抗原、またはアレルゲンと呼ばれるアレルギーのともになる物を摂取することで起こります。
 抗原(アレルゲン)が体の中に入ると抗体ができ、そこへ再び抗原(アレルゲン)となるものを摂取すると、抗原(アレルゲン)と抗体が結びつき、アレルギー反応が起こります。
 抗原(アレルゲン)となりやすい食物成分は、蛋白質です。蛋白質ですべての人にアレルギーを起こすわけではなく、アレルギーを起こしやすい人と、アレルギーを起こしにくい人がいます。
 アレルギーになりやすい体質は、遺伝すると考えられています。
抗原になりやすい蛋白質の性質
   蛋白質はアミノ酸がたくさん繋がった物です。
 食品の蛋白質は数個ずつのアミノ酸に分解され、吸収されます。普通はアミノ酸が2個〜3個の状態まで分解され、吸収されます。それは、抗原になりにくいからです。
 しかし消化力の未発達な乳幼児や赤ちゃんなどでは、十分に蛋白質を分解することができません。アミノ酸が10個くらい繋がった形で吸収され、アレルギーを起こしやすくなります。
アレルギーのメカニズム
 
┌─
抗原・アレルゲン
食物、ダニ、カビなど
─┐
肥満細胞
(免疫に関係する細胞)
   │
 │
↓     │
抗体(IgE)ができる
   │
↓     │
感作された肥満細胞
(抗体が細胞の表面に結合)
   │
 │
└→
抗原抗体反応
(アレルギー反応)
←┘
   
┌─
化学伝達物質
(ヒスタミンなど)
─┐
気管支
皮膚
消化管
喘息
アレルギー性鼻炎
湿疹・アトピー性皮膚炎
嘔吐・下痢

食物アレルギーの食治療法は?
アレルギーを防ぐ食事
  イメージ画像 食物アレルギーの食事療法は、主治医と良く相談して、原因になっている食品を除去することになります。子供の場合、間違った食事療法は成長に影響を与えるので、十分に注意してください。
 厚生省から出された新しい離乳食の基準では、食物アレルギー予防の観点からアレルギーの原因になりやすい食品を挙げて、一定の月齢になるまで与えないように推奨しています。
続けることが大切
   原因となっている食品を除去するのが、食物アレルギーの食事療法です。
 どの程度の除去を行うかは、アレルギーの症状、年齢、社会的な条件などを考慮して決められます。完全な除去食で症状が良くなっても、身体的負担・精神的負担があまりにも大きいと、継続は困難になってしまいます。
 主治医と良く話し合って、必要最低限の除去食にすることが大切です。

食物アレルギーの除去食は?
除去食の種類
  イメージ画像 除去食には、以下のような種類があります。
  加工食品も含めてアレルゲンを完全に除去
     蛋白質を酵素処理したり、アレルゲンを除去した低アレルゲン食品を摂取します。
  アレルゲンとなる食品そのものだけを除去
     加熱した食品や、加工食品を摂取します。
  回転食
     アレルゲンとなる同じ食品は続けて食べずに、一定の間隔をあけて食べます。
栄養のバランス
   アレルゲンとなる食品は、卵、牛乳、大豆など、栄養的に優れた物が多いため、何もかもを制限すると貧血や栄養失調になってしまう危険があります。
 上手に代わりになる食品を食べることが大切です。
除去食の継続
   食物アレルギーは乳幼児期に多くみられ、成長とともに少なくなっていきます。
 生後6ヶ月の時点で、卵や牛乳のアレルギーがあった子供でも、3歳になると約50%で症状がなくなります。6歳になると、約80%で症状がなくなります。
 除去食の継続は、3ヶ月を目安に検討するのが良いでしょう。
 原因になる食品を食べてアレルギーが起きなくなっても、しばらくは食べるのは控え目にしておいた方が良いです。

鶏卵アレルギーの食治療法は?
卵が使われている食品
  イメージ画像 鶏卵、鶏肉を食事から除去します。ウズラの卵、魚の卵は除去する必要があるかどうか、個別に調べる必要があります。人によっては、鶏肉は食べられる場合もあります。
 マヨネーズ、揚げ物の衣には卵が使用されています。プリン、アイスクリーム、カステラなど、菓子類には卵が使用されていることが多いので、注意が必要です。
 鶏肉で作ったスープの素、インスタントラーメン、ウインナー、ハム、かまぼこ、はんぺん、伊達巻き、ちくわにも、つなぎとして卵などが使われています。
代わりになる食品
   鶏卵、鶏肉の代わりになる食品としては、魚介類、豚肉、牛肉、大豆製品があります。
 また、卵を使っていない菓子類では、せんべい、卵を使っていないビスケットなどが市販されています。手作りのお菓子も有効です。

牛乳アレルギーの食治療法は?
乳製品と牛肉
  イメージ画像 牛乳、ヨーグルト、乳飲料、バター、チーズなどの乳製品と、牛肉を除去します。
 マーガリンにも乳製品が混合してあるので、パーム油で出来たアレルギー用マーガリンを使うようにしましょう。
 インスタントのカレールーには牛乳やバター、から揚げ粉には脱脂粉乳が使われているので注意が必要です。自家製の手作りカレールーを作ってあげてください。
 パンにもバター、脱脂粉乳が使われています。パン焼き器を使って自家製パンを作るなど、工夫してください。
 菓子類では、牛乳やバターが使われていることが多いので、手作りがおすすめです。
代わりになる食品
   カルシウムを補うために、ヒジキ、ワカメ、ワカサギ、アミ、しらす干し、小松菜、大豆製品があります。
 牛乳を使っていない菓子類では、牛乳を使っていないビスケットやパンが市販されています。このほか、せんべい、寒天、白玉、葛餅、ソーダクラッカーなどがあります。手作りお菓子が安全でおすすめです。

大豆アレルギーの食治療法は?
しょう油・味噌・油
  イメージ画像 大豆製品の除去をします。
 しょう油の代わりには、小麦粉から作ったしょう油、魚から作ったしょう油、ひえしょう油、あわしょう油があります。味噌の代わりには、大麦から作った味噌を使うのが便利です。
 注意したいのは油です。ほとんどの油には、製造過程で微量の大豆油が含まれています。米油、コーン油、菜種油、パーム油などを用い、それだけを製造しているメーカーのものを使います。
代わりになる食品
   しょう油の代替食品には、小麦粉しょう油、魚しょう油、ひえしょう油、あわしょう油があります。味噌は大麦味噌があります。
 油は米油、コーン油、菜種油、パーム油などの専門メーカーのものを使用しましょう。

食事療法のお好み焼きレシピ
卵・牛乳・大豆を使わないお好み焼き
  イメージ画像 小麦粉20g、桜えび10g、千切りキャベツ20g、小口切りネギ10gに、適量の水を加えて混ぜます。
焼く
   米油小さじ1杯をひいたフライパンで焼きます。
ふりかけ
   青のりをふりかけて、出来上がりです。

食事療法のフランドポテトレシピ
卵・牛乳・大豆を使わないフライドポテト
  イメージ画像 ジャガイモを棒状に切ります。
揚げる
   米油で揚げます。
ふりかけ
   食塩をふりかけて、出来上がりです。

食事療法のクッキーレシピ
卵・牛乳・大豆を使わないクッキー
   小麦粉20gと、ベーキングパウダー少々を混ぜます。
混ぜる
   ボールに米油小さじ1杯、水小さじ1杯を混ぜ、バニラエッセンスを垂らします。
 さらにレーズン小さじ1杯、アンジェリカ5g、バナナ20g、それぞれ刻んでから加えて、混ぜます。
寝かせる
   出来上がった生地を棒状に伸ばして、冷凍庫で30分ほど寝かせます。
焼く
   棒状になった生地を1cm幅に切り分け、オーブンで焼いて出来上がりです。
食事療法のドーナツレシピ
卵・牛乳・大豆を使わないドーナツ
   小麦粉20g、ベーキングパウダー少々を混ぜて、ふるいにかけます。
混ぜる
   砂糖大さじ半分〜1杯、米油小さじ半分、レモンエッセンス少々を加えて、混ぜます。
型抜き
   麺棒で生地を伸ばして、ドーナツ型で型抜きします。
揚げる
   170℃に熱した米油で揚げます。
ふりかけ
   熱いうちに粉砂糖、シナモンをふりかけて、出来上がりです。

食事療法の白玉ポンチレシピ
卵・牛乳・大豆を使わない白玉ポンチ
   ボールに白玉粉10gを入れ、水を少しずつ加えながら耳たぶくらいの固さになるまで混ぜ、団子を作ります。
茹でる
   出来た生地を熱湯で茹で、浮いてきたら冷水に漬けます。
寒天作り
   寒天粉0.5g、水50cc、砂糖小さじ半分を混ぜ、火にかけて溶かします。
 しばらくしたら冷えないうちに水で塗らした型に流して固めます。
盛り付ける
   リンゴ30g、バナナ20g、さいの目に切った寒天、白玉を混ぜ、ペパーミントを飾ります。
 上から砂糖水をかけて出来上がりです。

参考ページ
食物アレルギーに役立つページ
  食物アレルギーとも関連の深い、アトピー性皮膚炎の患者さんを支える家族のために
 家庭の医学:アトピー性皮膚炎を支える家族の方へ
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