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抗原を避ける |
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アレルギー性鼻炎の改善でもっとも効果的なのは、抗原が鼻の中に入らないようにすることです。
ハウスダスト・ダニは、布団、じゅうたん、畳に多いので、丹念に掃除機などで取り除くことによって、症状はある程度改善されます。
スギ花粉症では、スギ花粉のないところに住めば、症状は出なくなります。 |
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治療法の選択 |
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実生活上では、掃除をしてもホコリはすぐにたまりますし、スギ花粉のないところに引っ越すことも困難なものです。
そこで、減感作療法(げんかんさりょうほう)・特異的免疫療法という体質改善の治療と、抗アレルギー薬で症状を抑える治療がメインに行われます。
スギ花粉症の治療では、花粉の飛散する1週間〜2週間前から治療を開始します。眼の症状に対しては、目薬・点眼薬を用います。
炎症をとる効果のあるステロイド薬は、点鼻薬(フルナーゼなど)の場合、副作用は少ないといわれています。
症状が改善してもすぐに投薬を中止せず、数ヶ月間の安定を確かめ、少しずつ服薬量を減らしていきます。
アレルギー性鼻炎診療ガイドライン |
重症度 |
軽症 |
中等度 |
重症・最重症 |
病型 |
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くしゃみ・鼻水型 |
鼻づまり型 |
くしゃみ・鼻水型 |
鼻づまり型 |
薬剤 |
@第2世代H1拮抗薬
A遊離抑制薬 |
@第2世代H1拮抗薬
A遊離抑制薬
B局所ステロイド薬 |
@LTS拮抗薬
ATXA2拮抗薬
B局所ステロイド薬 |
@局所ステロイド薬
A第2世代H1拮抗薬 |
@局所ステロイド薬
ALTS拮抗薬
BTXA2拮抗薬 |
治療法 |
@Aのどれかひとつ |
@ABのどれかひとつ
@と、AかBの併用 |
@ABのどれかひとつ
@と、AかBの併用 |
@Aの併用 |
@Aの併用
またはB
必要に応じ点鼻薬血管収縮薬を治療開始5日〜7日間使用 |
外科的 |
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鼻腔形態異常を伴う症例では手術 |
並行 |
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特異的免疫療法 |
抗原除去、または回避 |
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減感作療法・特異的免疫療法 |
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減感作療法とは、ハウスダストや花粉などの抗原からの抽出物を少量ずつ定期的に注射して、アレルギー反応を鈍感にさせる方法です。現在では、根治治療にもっとも近く、治療終了後にも症状の改善が持続します。
症状を抑える抗アレルギー薬(ザジテン、インタール、オノンなど)とは異なります。 |
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副鼻腔炎 |
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慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)を併発している場合は、マクロライド系の抗生物質(エリスロシンなど)や、カルボシステイン(ムコダイン)の併用も有効です。
マクロライド系の抗生物質は、少量で使っても抗生物質としての効果は少ないですが、炎症止めとして効果が期待できます。
カルボシステインは、痰切りとして古くから使われている薬ですが、副鼻腔炎や中耳炎などの膿を外に出すことを手助けする効果があります。 |
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体質改善 |
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アレルギー関連の病気は、日常生活の鍛錬によって治っていく可能性もあります。
運動、乾布摩擦、冷水浴など、すぐに効果は出ませんが、続けていくことによって、将来は症状が改善されることもあります。 |
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全身ステロイド療法 |
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全身ステロイドの注射を行う方法もあります。しかし、重い副作用が起こることもあるため、安易にすすめられる治療法ではありません。 |