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 慢性副鼻腔炎・蓄膿症

慢性副鼻腔炎の概要は?
おもな症状
  鼻漏
鼻声
鼻詰まり
嗅覚障害
小児では咳
症状が似ている病気
  小児では気管支喘息

慢性副鼻腔炎・蓄膿症ってどんな病気?
急性副鼻腔炎の慢性化
  イメージ画像 一般に急性副鼻腔炎が治らずに慢性化したものを、慢性副鼻腔炎と呼びます。
 急性副鼻腔炎が長引くと、洞内に粘性の膿や液が溜まります。鼻と副鼻腔を繋いでいる小さな穴が細菌感染による粘膜の腫れによって閉じられてしまいます。そのため、副鼻腔に貯まった膿が鼻腔に排泄されにくくなることにあります。
 溜まった膿によって、さらに粘膜の腫れがひどくなり、鼻の中に鼻茸(はなたけ)が発生します。このためさらに高度な鼻閉が起こり、慢性的な嗅覚障害も起こります。
 また、洞内の粘膜が腫れて肥厚してくると、鼻腔内にも慢性的な鼻漏が生じ、頑固な鼻閉が現れます。
 程度の違いによって、鼻漏のみであったり、鼻閉のみの場合もあります。成人の場合には、嗅覚障害、鼻閉、鼻汁が喉の方に回ったりするような症状があるのに対し、小児では長期の咳が良くみられます。
喘息をともなう慢性副鼻腔炎
   一般的な慢性副鼻腔炎とは別に、気管支喘息をともなう慢性副鼻腔炎があります。
 一般的な慢性副鼻腔炎と比べ、鼻茸が多発性に発生し、鼻汁(びじゅう)は非常に粘りがあり、難治性です。
 アレルギーと細菌感染が同時に起こることが病態に深く関係していると考えられます。

慢性副鼻腔炎・蓄膿症の原因は?
細菌と細菌が作る毒素
  イメージ画像 急性副鼻腔炎が慢性化したために起こります。急性副鼻腔炎にかかっても回復の早い人と遅い人があり、個人差があります。慢性化の原因として、個人の持つ感染に対する防御機構の障害や鼻腔内の形態異常が考えられます。
 黄色ブドウ球菌インフルエンザ菌、肺炎球菌などの細菌や、細菌の作る毒素が病態形成に大変重要となってきます。
 鼻の中にある副鼻腔の換気と、排泄の通路が粘膜の腫れによって閉じられることがおもな原因と考えられています。
喘息から
   気管支喘息をともなう慢性副鼻腔炎は特殊で、異なった病態を示します。
 細菌感染も重要ですが、細菌感染とは別に気管支喘息の発作を起こす物と同じ物が副鼻腔でも作られ、副鼻腔炎をさらに重症化していると考えられます。
アレルギー性鼻炎
   アレルギー性鼻炎に慢性の副鼻腔炎をともなう場合があります。このような場合は、アレルギー性副鼻腔炎と呼ばれます。

慢性副鼻腔炎・蓄膿症の症状は?
鼻水や鼻詰まり
  イメージ画像 鼻汁が絶えず出てきて良く鼻をかむ、鼻が常に詰まっている、口で呼吸をしている、いびきをかくなどの症状が慢性的に持続します。両側に症状が現れるのが普通です。
 症状は数ヶ月〜数年に及びますが、本人は症状に慣れているため、意外と苦痛を感じないのが普通です。
鼻水が喉に回るなど
   鼻漏(びろう)が喉に回る後鼻漏(こうびろう)、臭いがわからない、頭痛などの症状が現れます。
ポリープ
   鼻腔内のポリープが大きくなってくると、鼻腔内にポリープが充満して、鼻の外に出てきたりして、鼻で呼吸をすることが困難になります。

慢性副鼻腔炎・蓄膿症の診断は?
鼻の視診
  イメージ画像 専門医が鼻を覗いてみると、鼻汁や鼻茸を認めることが多くあります。
 鼻茸が認められたら、慢性副鼻腔炎の可能性が非常に高くなります。
画像検査
   慢性副鼻腔炎の診断には画像検査が必要になります。
 単純エックス線検査で、ほとんどの場合に副鼻腔の陰影を見つけることができ、慢性副鼻腔炎と診断することができます。
 より正確な診断をするためには、CT検査が必要になります。
アレルギー性鼻炎との区別
   症状の良く似た病気に、アレルギー性鼻炎があります。
 慢性副鼻腔炎には、アレルギー性鼻炎と同様に鼻汁や鼻閉感がありますが、アレルギー性鼻炎にみられ症状の鼻の掻痒感(そうようかん・かゆみのこと)、くしゃみをともなわないので、見分けが付きます。

慢性副鼻腔炎・蓄膿症の治療法は?
保存的治療と手術的治療
  イメージ画像 慢性副鼻腔炎の治療法は、大きく保存的治療と、手術的治療とに分類できます。
 自覚症状や鼻の中の検査結果、またCTなどの検査結果を総合的にみて、慢性副鼻腔炎の程度を診断します。
 軽度の場合や、中等度でも発症してからの経過期間が短いようなら、鼻水の吸引や副鼻腔の洗浄といった局所治療、薬を内服する薬物療法などの保存的治療を行います。
 全身状態を良好にするため、睡眠時間の確保、休養を十分にとると共に、喫煙者・飲酒については節度を守るようにしましょう。
薬物療法
   炎症を抑え、粘膜や粘液の性情を改善する消炎酵素薬、粘液溶解薬の他、アレルギーの関与する場合には抗アレルギー薬が使用されます。
 抗生物質は細菌に対して良く効きますが、なかでも免疫機能を向上し、鼻からの分泌物を抑制する効果のあるマクロライド系抗生物質が良く用いられています。マクロライド系抗生物質は、通常の使用量より少なめの量を数ヶ月〜半年の長期間使用することが多く、軽度の副鼻腔炎なら、保存的な治療のみで症状を改善することが可能です。
手術療法
   副鼻腔炎の症状が強い場合や、病変が高度の場合、中等度でも保存的治療を数ヶ月〜半年間続けても治らない場合、鼻腔と副鼻腔を繋ぐ孔を広げる手術が必要になります。
 鼻の孔から内視鏡を入れて行う内視鏡下副鼻腔手術(ないしきょうかふくびくうしゅじゅつ)がおもに行われています。鼻内の操作だけなので、術後に顔が腫れることもなく、出血量も少なめです。身体への負担が少ない手術といえます。
 副鼻腔の換気と排泄を改善することを目的とした手術なので、副鼻腔の構造を保ったまま、より生理的に治癒へと導くことができます。
 鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)、鼻粘膜が厚くなる肥厚性鼻炎(ひこうせいびえん)など、鼻腔内の形態異常がある場合には、その矯正手術も同時に行います。
予後・術後
   慢性副鼻腔炎を治すためには手術だけでなく、術後の治療も手術同様に重要です。この術後治療が適切に行われないと、慢性副鼻腔炎を治癒させることができず、再発の可能性が高くなります。
 特に内視鏡下副鼻腔手術は、副鼻腔の形態を保ち、副鼻腔粘膜もなるべく残すようにしているので、術後に感染などが加わると、術後経過が悪くなり、再発の原因になります。
 術後は医師による鼻の処置を受け、分泌物や血液を吸引します。また場合によっては、鉗子(かんし)などで腫れた粘膜を取り除くこともあります。抗生物質や副腎皮質ホルモン剤(ステロイド薬)を副鼻腔に吸入するネブライザー療法を行い、粘膜の回復を助けます。内服薬としては、少量のマクロライド系抗生物質を長期間服用します。

慢性副鼻腔炎・蓄膿症かなと思ったら?
耳鼻咽喉科へ
  イメージ画像 鼻汁が3ヶ月以上持続する場合や、3ヶ月たたなくても鼻汁に強い鼻閉感が加わった場合には、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
 とくに、成人になってから気管支喘息にかかっていて、その上、鼻汁と鼻閉感が現れたら、すぐに耳鼻咽喉科の専門医の診察を受けるようにしましょう。

慢性副鼻腔炎・蓄膿症の予防法は?
日常生活で
  イメージ画像 治療が終わって改善しても、過労は避け、身体の冷え、空気の乾燥には注意し、再発防止に努めましょう。
 風邪にかかっても無理をせず、早期に回復するように努めます。
食事
   蛋白質やビタミンに富んだ食品は、副鼻腔炎の予防に有効だといわれています。
 また、鼻をかむ習慣をつけ、急性鼻炎、急性副鼻腔炎にかかっても、慢性副鼻腔炎に移行しないように早期の治療を行うようにしましょう。
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