|
被曝する放射線は異なっても症状は共通
|
|
放射線は細胞のDNAを傷害し、細胞分裂に対して強い影響を及ぼします。
放射線には数種類の性質の異なるものがあるため、被曝による症状の強さは、放射線の種類、強さ、被曝時間などによって異なります。
放射線の種類を問わず、皮膚症状としては同様の症状が現れます。
|
|
急性放射線皮膚炎の症状
|
|
短期間に大量の被曝をしたために起こる急性放射線皮膚炎では、重症度によって現れる症状が異なります。
|
|
|
軽症の場合
|
|
|
放射線量が8Gy(グレイ)以下の軽症の場合、24時間以内に局所が腫れて赤くなり、軽度の痛みをともなう場合があります。数週間続きますが、しかしその後、褐色の色素沈着を残して治癒します。
|
|
|
中等症の場合
|
|
|
中等症の場合、受傷から3日後〜6日後に患部が腫れて小水疱、びらんが現れ、強い刺激痛をともないます。
軽快するまでに数ヶ月を必要とし、色素沈着、脱毛などの変化を残しやすくなります。
|
|
|
重症の場合
|
|
|
重症の場合、熱傷と同様の症状が現れ、難治性の潰瘍を残します。
|
|
慢性放射性皮膚炎の症状
|
|
慢性放射線皮膚炎の場合、病巣部から皮膚ガンが発生することがあります。
徐々に落屑(らくせつ)、脱毛が進み、色素が沈着し、小さな外傷も治りにくくなります。角化や潰瘍化が進みます。
|
|
放射線角化症の症状
|
|
慢性放射線皮膚炎の患部にイボができます。このイボはたくさんでき、白っぽいもの、紅褐色のもの、黒褐色のものがあります。皮膚ガンになる傾向が強く、転移しやすい傾向があります。
ガンになるのは、慢性放射線皮膚炎が発症してから15年〜20年後です。
|