もっとも重要な原因は長時間の圧迫による局所の血流障害です。寝たきりの人や、麻痺のある人は、身体の向きや姿勢を変えることが簡単にできないため、寝具や車椅子などに接触している皮膚には、体重による圧迫が持続して加わり、血流障害が起こります。また、ベッドや車椅子上で長時間座っていると、徐々に体がずり落ちて皮膚がよれ、床ずれの原因になります。
骨の突出した部位などでは、皮下脂肪や筋肉が少ないために血流が悪く、圧迫力が加わるとすぐに血流障害を起こします。特に、後頭部、肩甲骨部、仙骨部、坐骨部、大転子部、踵などには圧力が集中します。
そのほかの局所的な因子としては、尿失禁、便失禁などによる湿った状態、組織のずれ、摩擦、尿・便の成分による化学的刺激などがあります。
全身的な誘因としては、寝たきりの状態、意識障害、貧血、低タンパク血症などがあります。血中のアルブミンの量の低下が、床ずれの発症・増悪に関与しています。
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