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尋常性白斑


尋常性白斑の概要は?

おもな症状

 

大きさや形が多彩な完全に色の抜けた白斑

似ている病気

 

白斑黒皮症(はくはんこくひしょう)
化学物質による白斑
癜風(でんぷう)
フォークト・小柳・原田症候群


尋常性白斑ってどんな病気?

よくある病気

 

イメージ画像 後天的に皮膚の色が部分的に抜けて、白くなる病気です。比較的よくみられる病気です。白斑に先立つ症状はとくにありません。
 尋常性とは「普通の」、または「ありふれた」といった意味を持ちます。俗称、「シロナマズ」と呼ばれます。


尋常性白斑の原因は?

色素細胞の消失

 

イメージ画像 色素細胞(メラノサイト)と呼ばれる、皮膚の最外層にある表皮の中に存在するメラニン色素を作る細胞が消失するために、皮膚の色が抜けて白くなります。
 分節型白斑は、神経末梢から分泌される神経伝達物質が色素細胞を破壊するために起こると考えられています。

原因は不明

 

 色素細胞が消失する原因は明らかになっていません。
 色素細胞に対する自己免疫抗体ができて、色素細胞を攻撃して消失してしまうとする説があります。そしてもうひとつは、皮膚での活性酸素を除去する機能が低下して、色素細胞が壊れるとする説があります。


尋常性白斑の症状は?

発症は生後数年から

 

イメージ画像 生後、数年〜数十年に、皮膚の色が部分的に抜けて白くなります。
 白くなる部分は大小さまざまで、拡大したり、別の皮膚の部分でも色が抜けることがあります。
 頭部では、白斑になった部分に白髪が生えることがあります。

非分節型白斑

 

 体の両側に症状が出るタイプで、斑点の数が少しずつ増え、ついには全身が白くなってしまう白斑を、汎発型白斑(非分節型白斑・A型白斑)と呼びます。
 小児〜30歳ごろまでの若い時期に発症します。
 最初は親指の先ほどの大きさの白斑が2個〜3個でき、しだいに数が増えて広い範囲に広がります。
 顔、胴体、手足など、どこにでも発生しますが、数が多くなると左右対称に分布することが多くなります。ベルトや下着で締め付けられる場所、履物で擦れる場所に好発します。

分節型白斑

 

 体の左右どちらか片側のみに症状が出るタイプで、特定の皮膚分節(ある神経の交配範囲)で斑点が急速に広がるものの、1年前後で進行が止まり以後はそのままの状態を保つ白斑を、分節型白斑(B型白斑)と呼びます。
 すべての年齢層で発症します。
 帯状疱疹で神経痛と水ぶくれが生じる範囲とまったく同じ場所に白斑が分布します。顔の場合は目の高さ、口の高さで分布が分かれ、胴体の場合は脊椎ごとに体を輪切りにした形で分布するのが特徴です。
 初めは小さな白斑が数個できるだけですが、数ヶ月〜1年・2年で、その分節内いっぱいに広がり、そのままの状態が一生続きます。

限局型白斑

 

 皮膚の一部だけに症状が出るタイプを、限局型白斑と呼びます。


白斑の原因となる化学物質

化学物質による白斑

 

イメージ画像 化学物質によって白斑が発生することは良く知られています。このような白斑では、尋常性白斑と区別をしにくい場合があります。
 職業的にフェノール化合物などの化学物質を扱う人に多くみられます。
 接触性皮膚炎・かぶれを起こした後に白斑になるものと、化学物質の色素細胞に対する毒性作用によるものとがあります。

白斑を起こす化学物質

 

 白斑を発生させる化学物質には、ハイドロキノン、メルカプトアミン、p-t-ブチフェノール(PTBT)などのフェノール類、クレゾール、塩化水銀アミドなどがあります。
 なかでも、p-t-ブチフェノール(PTBT)による白斑はよく知られています。

PTBTによる白斑

 

 p-t-ブチフェノール(PTBT)を含む物質には、脱臭剤、複写紙、ホルムアルデヒド樹脂、殺虫剤、印刷インク、ワニス、ラッカーなどがあります。


尋常性白斑の診断は?

特別な検査は行ないません

 

イメージ画像 診断のための特別な検査は必要ありません。
 体の両側に白斑の出る汎発型では、甲状腺の検査を行なうと病気が見付かる場合があります。病気の見付かる頻度は約10%です。


尋常性白斑の治療法は?

非分節型白斑の治療法

 

イメージ画像 白斑ができて新しいうちは、弱いステロイド剤の軟膏を1日2回塗ります。週に2回、長波長紫外線、または限られた波長(ナローバンド)の中波長紫外線を当てます。長波長紫外線の場合には、光に敏感になる薬を併用します。
 日光浴にも同じ効果がありますが、いずれの場合も、何年も経過した古い白斑にはあまり効果は期待できません。

分節型白斑の治療法

 

 分節型白斑では、紫外線療法は効果はあまり期待できません。
 分節型白斑は数年で進行が止まるため、その後に表皮移植手術を行えば、跡形もなく治療することができます。
 表皮移植手術は、健康な皮膚に吸引水疱を作り、白斑の部分の表皮を剥がして、水疱のふたを移植する方法です。

一時的な治療法

 

 セルフタニング剤を皮膚に塗ると、3日〜4日間は皮膚を着色することが可能です。


尋常性白斑かなと思ったら?

まずは皮膚科医に

 

イメージ画像 尋常性白斑かなと思ったら、まずは皮膚科の医師の診察を受けるようにしましょう。
 治療に関しては、根気よく治療を受けることが大切です。

非分節型白斑では

 

 治療によって一時的に白斑が消えても、いずれどこかに再発してしまいます。新しいうちは薬が効果的なので、早期発見、早期治療を心がけましょう。
 根治はできませんが、目立たない状態にコントロールすることは可能です。

分節型白斑では

 

 進行期にさまざまな治療を試みても、皮膚を傷めるだけのことが多々あります。皮膚科専門医の管理下で安定期に入るのを待ち、表皮移植手術を受けるのが最善です。

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