そらいろネット > 家庭の医学 > 女性の病気 > 更年期外来に行こう(2)
 更年期外来に行こう
mixiチェック
このエントリーをはてなブックマークに追加

更年期外来の診断は?
検査結果で治療方針を決定
  イメージ画像 血液学的検査、骨量測定、悪性腫瘍のスクリーニング検査、カウンセリングを行い、治療方針を決めていきます。
 専門医による臨床検査を行い、治療に緊急性があったり、集中治療が必要かどうかを診断します。一般的な医学的問診と、全身所見の検査を行います。
それぞれの検査方法
   更年期障害の症状と治療効果判定には、簡略更年期指数(SMI)を使用します。診察前にSMIや、そのほかの更年期の症状について患者さん自身に記入してもらい、治療効果の判定の参考にします。
 血液生化学検査ではトリグリセリド、コレステロールの測定のため、そして薬剤による肝機能障害の早期発見を目的として、6ヶ月に1回、行います。
 DEXA法による骨密度測定、胸部撮影・腰部撮影による骨量の評価は、6ヶ月〜12ヶ月に1回、行います。
 内診・超音波検査による骨盤内の検査は、症状がない患者さんでも6ヶ月に1回、行います。
 細胞診は子宮頸ガン子宮体ガンの早期発見のため、12ヶ月に1回、行います。
 超音波検査、マンモグラフィーによる乳ガン検査を12ヶ月に1回、行います。
カウンセリング
   健康・栄養アセスメント、QOLアセスメント、体力テスト、ライフスタイルアセスメント、プロセスアセスメントを行います。
 健康・栄養アセスメントは、健康教育・栄養教育の実施に先立って、簡便で系統的な質問票と栄養アセスメントの手法を用いて、問題となる要因を評価・判定するために行います。
 健康・栄養アセスメントとプロセスアセスメントの結果は、評価のための教育前のベースラインデータとします。
  栄養アセスメント
     各種身体計測、血液生化学検査を行います。
  QOLアセスメント
     神奈川県立保健福祉大学の杉山みち子氏が作成した質問票を使用することが多いです。
 QOLの概念を「身体的、精神的、社会的側面から見た主観的健康」とするもので、妥当性や再現性がすでに検証されています。
 構成要素は「身体の健康状態についての主観的意識」、「精神の健康状態についての主観的意識」、「生活や人生に対する満足度」、「社会的参加・支援」の4要素からなります。
 点数の合計をQOL得点とします。
  体力テスト
     日常生活で運動習慣のない中高年女性にも容易に実施でき、危険性の少ない全身持久力、握力、長座位体前屈、棒反応を行います。
 測定は健康運動指導士の資格を持つ管理栄養士が行います。
  ライフスタイルアセスメント
     茨城県健康科学センターが作成したライフスタイル改善指導マニュアルを使用することが多いです。
 「生活習慣問診票」の一部に質問事項を追加し、肉体労働、余暇の運動の頻度、休養状況、睡眠時間、食行動などについて調べます。
  プロセスアセスメント
     ライフスタイルの変容に関する要因である知識や態度などの準備因子、周囲の人たちからの援助や支援の強化因子、技能や資源の利用可能性の実現因子を、質問票を使って調べます。現在の生活習慣を変容させるためにはどうしらたら良いか、その背景を探るための検査です。
 準備因子の態度の質問項目には「今よりも健康状態を良くしたい」、「今の健康状態を保ちたい」、「今よりも悪くなるのは困るが、積極的に考えたことはない」、「健康のことなどどうでも良いと思っている」を設定します。さらに、健康作り、成人病予防のため、本人の健康状態の改善についての意欲を調べます。
 準備因子の知識の質問項目には、具体的に知りたいこと、実行したいことの内容として、運動の量や内容、食事の量や内容、休養の取り方、飲酒の仕方、禁煙方法、ストレス解消法、減量法、血圧の安定方法、薬物療法、尿失禁予防の自己管理法、性交痛に対する自己管理法などを設定します。健康のための行動を実行する上で、障害があるかどうかを調べます。

ホルモン補充療法の治療法は?
インフォームドコンセント
  イメージ画像 臨床検査と、各種アセスメントの結果を参考に、具体的な治療計画を実施します。
 医師から十分な説明を受けた上で患者さんの同意・承諾を得るインフォームドコンセントによって、ホルモン補充療法や漢方療法などの薬物を使用する治療を行うかどうか、カウンセリングを受けるかどうかを決めていきます。
ホルモン補充療法の適応と方法
   ホルモン補充療法の適応は、DEXA法の腰部正画像で骨密度(BMD)が0.923g/cm2以下、SMI40以上、血液生化学検査で総コレステロール220mg/dl以上のいずれかを満たす患者さんです。
 原則として閉経後3年までは周期性投与とし、それ以後は連続投与します。
 周期性投与は、卵胞ホルモンの統合型エストロゲン(プレマリン)0.625mg連日投与と、黄体ホルモンの酢酸メドロオキシプロゲステロン(プロベラ、またはヒスロン)5mgを12日間投与後、18日間休養します。
 連続投与は、統合型エストロゲン0.625mg連日投与と、酢酸メドロオキシプロゲステロン2.5mg連日投与します。
 子宮摘出後の患者さんには、黄体ホルモンの併用は行いません。
米国国立衛生研究所の調査結果
   2002年7月、米国国立衛生研究所(NIH)がホルモン補充療法の臨床試験をリスクが利益を上回るとして中止したことは、更年期医療に大きな影響を与えました。
 ホルモン補充療法を受けた患者さんでは、骨折、結腸ガン・直腸ガンのリスクは減少しますが、乳ガン、冠動脈疾患、脳卒中、静脈血栓症が増加しました。
 2002年8月、米国国立衛生研究所の研究結果を受け、米国産婦人科学会(ACOG)は以下のような勧告を出しました。
●血管運動症状の管理のためにホルモン補充療法を行う患者さんには、可能な限り短期間で、かつ最少有効量を使用すること。
●ホルモン補充療法の長期使用は、無症状の患者さんには継続しないこと。
骨粗鬆症の治療には、ビスフォスフォネート製剤やエストロゲン受容体調節剤(SERM)など、他の予防薬があること。
日本での現状
   アメリカ国立衛生研究所では研究対象の患者さんの肥満度の指標がBMI(Body Mass Indes)28.5と肥満だったこと。ホルモン補充療法の投与期間が63歳〜68歳で高齢だったこと。喫煙率・高血圧治療歴が高すぎることなど、問題点も指摘されています。
 ホルモン補充療法については、リスクと利益のバランスを適切に判断し、患者さんごとに決定するべきと考えられています。
今後の問題点
   健康管理外来の特性を十分に理解して運用できる医師を養成すること、患者さんの理解を深めることが挙げられます。
 食事療法、運動の指導、電話相談を含めたカウンセリングを行えるなど、医師以外の人材の育成も重要です。

骨粗鬆症の治療法は?
薬物療法
  イメージ画像 治療薬には、カルシウム製剤、活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、カルシトニン製剤、女性ホルモン製剤、ビスフォスフォネート製剤などが使用されています。
 治療効果の有効性から、骨吸収阻害剤であるビスフォスフォネード製剤が、治療の中心になっていくと考えられます。
 骨粗鬆症の詳細については、骨粗鬆症を解説しているページを参考にしてください。
家庭の医学:骨粗鬆症とは?

更年期障害の日常生活の注意点は?
生活習慣の改善
  イメージ画像 更年期の女性では、卵巣機能の停止にともなう身体的変化にとどまらず、社会的・心理的な要因も絡まって、さまざまな不定愁訴が現れます。
 更年期の不定愁訴を改善し、疾病の予防、健康の維持・増進、さらに生活の質の向上を図るため、薬物療法だけに頼らず生活習慣の改善も重要になります。
 更年期症状の予防のため、カウンセリングも重視されます。
個人面談・パーソナルセッション
   健康・栄養アセスメントの情報に従って、患者さんにとって優先的に改善するべき生活習慣の目標は、食事、運動、休養、心の問題のうちの何であるか、個人面談、パーソナルセッションを行います。管理栄養士の助言のもと、患者さん自身が選択します。
 健康・栄養教育プログラムは、個人カウンセリングを行うパーソナルセッションと、グループワークを実施するグループセッションによって構成されています。
 最初は健康・栄養アセスメント結果の説明、問題点の把握、生活習慣改善目標の設定、生活習慣の改善に関わる要因の検討、自己記録健康管理日記の記入方法の説明などを行います。それ以降は、記入された自己記録健康管理日記、教育後の健康・栄養アセスメントの結果をもとに、問題点はどの程度改善されたか、生活習慣改善目標の達成度、目標の妥当性を評価します。改善がみられない場合、原因や今後の対策を話し合います。
グループセッション
   医学的側面からみた女性の健康管理、フィットネスについて、栄養について、休養について、心の健康について、この5つのテーマを設定して行います。
メディカルチェック
   医師による臨床所見・検査によるメディカルチェックと並行して、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月ごとに質問票と栄養アセスメントによる健康・栄養アセスメントを同様の内容で実施し各段階を評価します。

更年期外来・閉経外来のオススメは?
名医がいる更年期外来・閉経外来のオススメの病院
  東京医科歯科大学医学部付属病院
    東京都文京区湯島1-5-45
弘前大学医学部付属病院
    青森県弘前市本町53
獨協医科大学越谷病院
    埼玉県越谷市南越谷2-1-50
東京女子医科大学病院
    東京都新宿区河田町8-1
小山嵩夫クリニック
    東京都中央区銀座6-14-2 銀座野田ビル4階
さがらレディースクリニック
    東京都品川区大崎3-14-35 山手ビル1階
京都府立医科大学付属病院
    京都府京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465
高地医科大学医学部付属病院
    高知県南国市岡豊町小蓮185-1
九州大学医学部付属病院
    福岡県福岡市東区馬出3-1-1
メインコンテンツ
 家庭の医学
 ・身近な植物図鑑
 ・身近な昆虫図鑑
 ・身近な野鳥図鑑
 ・身近な貝殻図鑑
 ・身近な生き物図鑑
 ・ベランダ園芸
 ・三浦半島観光地図
 ・大人の塗り絵
 ・ゲーム情報局
 ・日記
 ・コミュニティー
スポンサードリンク


  家庭の医学-女性の病気  
更年期外来に行こう(1) そらいろネット 更年期外来に行こう(1)
Copyright そらいろネット(ちーず。) All right reserved