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A型急性肝炎


A型急性肝炎の概要は?
おもな症状
  風邪に似た症状
身の置き所のないだるさ
高熱
吐き気
食欲不振
腹痛
黄疸(おうだん)
紅茶のような尿
似ている病気
  風邪
B型急性肝炎
C型急性肝炎
伝染性単核球症
薬剤性肝炎
起こりやすい合併症
  劇症肝炎(頻度は約1%)

A型急性肝炎ってどんな病気?
A型肝炎ウイルス
  イメージ画像 A型肝炎ウイルスは、下痢などを起こすウイルスに似ていて、RNA遺伝子を持った直径27nm〜28nmの大きさのウイルスです。ピコルナウイルス属の一種です。
 A型急性肝炎はA型肝炎ウイルスに経口的に感染して、ウイルスが肝臓で増殖し、炎症を起こし肝炎を起こす病気です。
 慢性化して肝硬変や、肝臓ガンになることはありません。
 致死的な劇症肝炎にならなければ慢性化することはなく、二度と発病しないのが特徴です。
衛生環境の改善
   経口感染で起こるA型肝炎は、衛生環境が大きくかかわっています。
 世界中のどこにでもある病気ですが、人口密度が高く環境衛生の良くない発展途上国では蔓延している病気で、子供のうちに感染してしまいます。
 上下水道施設が整った日本では、年間患者数は約500人の比較的めずらしい病気になっています。戦中戦後は周期的に流行したことがあり、高齢者の多くは知らないうちに抗体が作られています。抗体を持っていれば、終生免疫として新たな感染を起こすことはありません。
 カキなどの貝類を生や加熱調理が不十分なまま食べて感染することが多く、時に集団発生することがあります。
 患者さんのほとんどが成人で、好発年齢は20歳〜30歳です。乳幼児や学童など子供が感染することはまれな病気です。母子感染はしません。

A型急性肝炎の原因は?
A型肝炎ウイルスの感染
  イメージ画像 A型肝炎ウイルスが、食べ物や飲み水を介して、体内に侵入する経口感染で発症します。
 体内に入ったウイルスに対しては、排除しようとする免疫反応が働きます。免疫反応によって肝炎ウイルスに感染した細胞と一緒に攻撃を受けるため、肝臓に炎症が起こります。
 免疫反応によって抗体というたんぱく質が作られます。体内に抗体ができると、次にウイルスに感染しても発病することはありません。
海外での感染が多い
   増殖したウイルスは糞便の中に排泄され、これが新たな感染源となります。糞便に含まれたウイルスに汚染された食べ物や、汚染された水から、次の感染が起こります。
 3月〜4月に、感染のピークがあります。
 近年では、衛生状態が悪い海外で感染する人が増加しています。生水や生物の他にも、生野菜のサラダを洗うための水が汚染されていたり、氷を作る水が汚染されていれば、そこからA型肝炎に感染します。

A型急性肝炎の症状は?
風邪に似た症状から始まる
  イメージ画像 ウイルスに感染し、約1ヶ月(15日〜50日)の潜伏期間の後、症状が現れます。
 初期症状は38℃以上の発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛などです。大人では便秘が多く、子供では下痢がみられます。風邪の症状と良く似ているため、ただの風邪と間違えることもあります。
 A型肝炎は、他のウイルス肝炎に比べて、症状が強く出るのも特徴です。
黄疸
   症状が現れてから約1週間後、黄疸(おうだん)をともなった、はっきりとした肝機能以上が現れます。
 黄疸の出現と共に、全身倦怠感、食欲不振などの自覚症状はかえって軽くなります。
 茶褐色の尿や、白っぽい便が出ることもあります。
多くは1ヶ月〜2ヶ月で完治
   ほとんどのA型急性肝炎は、1ヶ月〜2ヶ月で完治し、慢性化もしません。
 しかし、半年以上続いたり、腎不全や、血液の病気などを合併するケースもあります。
 わずかではありますが、劇症肝炎と呼ばれる重い状態に進行すると、40%〜50%の人では致命的になります。
高齢者は重症化しやすい
   原因はわかっていませんが、高齢者が発症すると重症になりやすい傾向があります。
 成人が感染すると、ほとんどで黄疸が現れます。
子供は軽症
   5歳以下の子供が発症しても、軽症で済んだり、不顕性感染(ふけんせいかんせん)といって感染したことに気付かずに済むこともあります。

A型急性肝炎の診断は?
海外渡航歴など
  イメージ画像 症状の確認とともに、周囲に同じ症状の人がいないか、海外旅行に行っていないか(特に生水を飲んだり、生の貝を食べていないか)などの情報が診断に有用です。
血液検査
   肝炎の検査では、血液検査が重要になります。
 代表的なものではAST(GOT)、ALT(GPT)があります。AST、ALTは肝細胞の中に多量に含まれる酵素です。肝細胞が損なわれると血液中に漏れ出し、数値が高くなります。A型肝炎では、他のウイルス肝炎に比べて高く出る傾向にあります。
 黄疸が現れている時期には、ビリルビン値も高くなります。
 チモール混濁反応という血液検査の上昇も、A型肝炎の特徴です。
抗体検査
   免疫反応によってできた抗体を、血液で測ることによって診断します。
 発症から早い時期に血液中に出てくるIgM型の抗体を測定することで、診断を行います。
 重症化したA型肝炎や、劇症肝炎への進行を見る上では、肝臓が作るプロトロンビンという血液を固まらせる蛋白質の検査をすることも重要です。
 専門の研究室では、ウイルスの遺伝子配列を調べることで、より詳細な診断が可能です。
A型急性肝炎の治療法は?
安静が大切
  イメージ画像 黄疸があったり、血液検査の数値が高い時期は、入院をしたうえで、安静に過ごします。トイレや食事など、必要な時以外は、横になっているようにします。
 症状や血液検査の改善に合わせて、安静の程度を軽くしていきます。
薬物療法
   薬物治療では、直接ウイルスを撃退する薬はありません。安静と栄養管理、症状に応じた対症療法を行います。
 食欲不振、嘔吐、下痢などの症状がある場合、肝庇護薬(かんひごやく)、ビタミン剤、ブドウ糖の点滴を行います。

A型急性肝炎かなと思ったら?
医療機関の受診を
  イメージ画像 医療機関での受診が必要です。
他の人にうつさないように
   初期症状は風邪と似ているため、知らずに同居している家族や職場の同僚に感染させてしまうことがあります。
 特に発症前後の糞便中には多量のウイルスが排出されるため、家庭内での手洗いを念入りにして、排便後の衛生管理に注意を払う必要があります。

A型急性肝炎の予防法は?
飲食物に注意
  イメージ画像 感染の危険性のある生水や生物は、注意することです。
 患者さんが出た周辺や、衛生状態の悪い海外では、特に注意が必要です。
 口からウイルスが入って感染が広がるため、手を良く洗うことが基本的で、重要な予防法です。感染の危険性が高い家族は、免疫グロブリン(ガンマグロブリン製剤)を筋肉注射します。注射直後から予防効果がありますが、3ヶ月ほどで抗体がなくなるため効果は長続きしません。
ワクチンが有効
   最近ではワクチンで免疫力を付ける方法が有効です。長期的な感染予防には、A型肝炎ワクチンが有効です。
 1995年から不活化ワクチンが接種できるようになりました。
 抗体を持たない若い人が東南アジアなど衛生状態の悪い国への海外旅行や、感染の危険度の高い人は、ワクチン接種で予防することができます。
 A型肝炎ワクチン(HAワクチン)は、2週〜4週間隔で2回、皮下接種します。6ヶ月後に1回、追加接種をします。抗体ができるまでに時間はかかりますが、長期間の予防が可能です。副反応はほとんどありません。ただし、16歳未満の人は接種できません。
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