そらいろネット > 家庭の医学 > 血液・造血器の病気 > 貧血の食事療法

貧血の食事療法


貧血とは?

大部分は鉄分不足が原因

 

イメージ画像 血液中にあるヘモグロビンの量が少ない状態を「貧血」と言います。
 ヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶ働きをするため、貧血になると全身が酸素不足の状態になります。このため、頭痛、めまい、疲労、肩凝り、消化不良が起きます。また、顔色が悪くなり、イライラするなどの症状が現れます。
 貧血の患者さんの大部分は、ヘモグロビンの材料である鉄分が不足する鉄欠乏性貧血です。


鉄欠乏性貧血の症状は?

おもな症状

 

顔面不良
息切れ
めまい
耳鳴り
動悸

倦怠感
舌の痛み
嚥下障害
爪の変形(さじ状爪・スプーン状爪)
異嗜症(いししょう)


貧血と女性の関係は?

女性の過半数は貧血、もしくは貧血予備軍

 

 鉄欠乏性貧血は、鉄の摂取量が少ないか、需要が増えた時に起こります。極端な偏食やダイエットをしたり、成長期、妊娠・出産期、月経過多、潰瘍からの出血なども原因となります。
 ダイエット、妊娠、出産、月経など、現代女性は鉄分不足になりがちです。

[成人女性]
正常
約40%
鉄欠乏状態
約40%
鉄欠乏性貧血
約10%
その他
約10%
 成人女性の約10%は鉄欠乏性貧血と言われています。そして約40%は、鉄欠乏状態、つまり貧血予備軍であると言われています。

鉄剤による治療と食事療法

 

イメージ画像 明らかな鉄欠乏性貧血の場合、食事の改善だけでは治療は不十分になります。
 鉄剤を服用すると共に、食事療法を行うことになります。鉄鍋や鉄のフライパンなど、鉄で作られた調理器具を使うのも効果があります。

鉄欠乏性貧血以外の貧血

 

 貧血には、鉄欠乏性貧血のほかにも、以下のような原因があります。これらの貧血では、薬物による治療が中心となります。
胃切除によるビタミンB12欠乏
再生不良性貧血
肝硬変や腎不全などの病気にともなう貧血


鉄分の多い食事は?

吸収されやすいヘム鉄

 

 鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。肉や魚に含まれる鉄分が、ヘム鉄です。野菜や穀物に含まれる鉄分が、非ヘム鉄です。
 ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて、何倍も腸で吸収されやすい成分です。貧血対策には、ヘム鉄が多く含まれる食事を心がけましょう。

ヘム鉄が多く含まれる食べ物 非ヘム鉄が多く含まれる食べ物
ヤツメウナギ
レバー(特にブタ
レバーペースト
煮干し
アユ
ヒジキ
大豆
高野豆腐
ダイコン
ほうれん草
シジミ・アサリ

さまざまな種類の食べ物を

 

イメージ画像 血液は鉄分だけではなく、タンパク質、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、銅などから作られます。これらを十分に摂取するためには、さまざまな食べ物を偏りなく食べることが必要です。

非ヘム鉄を吸収されやるく料理する

 

 野菜や穀物に含まれる「非ヘム鉄」は、吸収の良くない鉄分です。ただし、動物性タンパク質と一緒に食べることで、吸収が良くなります。

吸収されやすい非ヘム鉄の食事
小松菜と豚肉の炒め物
高野豆腐の卵とじ
ほうれん草のグラタン

ビタミンCも効果的

 

 ビタミンCには、鉄を吸収しやすい形に変えてくれる作用があるため、貧血解消の強い味方になります。ヘム鉄も、非ヘム鉄も、ビタミンCと一緒に食べるようにしましょう。

ヘム鉄・非ヘム鉄・ビタミンCの多い食事
生ガキにレモン
切り昆布とサツマイモの煮物
ワカメとトマトのサラダ

胃酸の分泌を促す

 

 酢、香辛料、梅干しなどを使った料理は、胃粘膜を刺激し、胃酸の分泌を高め、鉄分の吸収を良くしてくれます。
 また、良く噛んで食べることも、胃酸の分泌を促進します。

胃酸の分泌を促す食事
梅干し、酢、辛子
ヒジキの酢の物
ほうれん草のナムル(唐辛子を効かせた韓国風和え物)
小松菜とアサリの辛子醤油和え

気を付けたいお茶

 

 食前・食後の緑茶、コーヒー、紅茶は、貧血の大敵です。これらの飲料に含まれるタンニンは、鉄の吸収を悪くしてしまいます。どうしてもお茶を飲みたい時は、ほうじ茶やウーロン茶を飲むようにしましょう。
 鉄剤を飲む場合、鉄の量も多く、吸収率も高まっているので、お茶を控える必要はありません。

控えた方が良いお茶 飲んでも大丈夫なお茶
緑茶
コーヒー
紅茶
ほうじ茶
ウーロン茶

年齢別の貧血対策は?

年齢による違い

 

イメージ画像 鉄分の不足は、年齢ごとに気を付けたいポイントがあります。
 特に女性では、生理の開始、妊娠など、鉄不足になりやすい時期があるので注意が必要です。

乳幼児期

 

 母乳には鉄分がほとんど含まれていないため、貧血になることがあります。
 生後5ヶ月頃から開始する離乳食には、鉄分補給の意味もあります。この時期までに必要な鉄分は、お母さんの体内にいる間に、胎児の身体に蓄えられています。

思春期の女子

 

 女性の場合、思春期は成長と生理の開始によって鉄分の需要が増えます。女子高校生の約10%が鉄欠乏性貧血で、約60%が鉄欠乏状態です。正常な人は約30%しかいないと言われています。

[女子高生]
正常
約30%
鉄欠乏状態
約60%
鉄欠乏性貧血
約10%
その他
約10%
 また、ダイエットや偏食が、貧血に拍車をかけています。朝起きるのが辛い、肩凝りなどの症状がある時は、貧血になっていないか検査を受けるようにしましょう。

妊娠

 

 妊娠中は母体の血液量が増加し、ヘモグロビンが薄くなり、見かけ上は貧血になります。重い貧血では、母体にも胎児にも影響があります。
 鉄欠乏性貧血の場合は、鉄剤を服用し、食事療法を行います。

高齢者

 

 高齢者では、調理や買い物が十分にできなかったり、食事がきちんと食べられないため、貧血になっていることがあります。
 買い物が大変な時は、食材料の宅配などを頼むのも良い方法です。

ライフスタイルと鉄の推奨量

 
20mg
15mg
10mg
5mg
 
 
 
 
 
 
 
10歳〜11歳 12歳〜14歳
(月経あり)
若い女性 妊婦 授乳期
(月経なし)
中年期 閉経期
メインコンテンツ
 
家庭の医学
身近な植物図鑑
身近な昆虫図鑑
身近な野鳥図鑑
身近な貝殻図鑑
身近な生き物図鑑
ベランダ園芸
三浦半島観光地図
無料で塗り絵
ゲーム情報局
日記
コミュニティー
 
広告
SNS
チェック
このエントリーをはてなブックマークに追加


  家庭の医学-血液・造血器の病気  
そらいろネット 貧血の食事療法
Copyright そらいろネット All right reserved.