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ヘルパンギーナ


ヘルパンギーナの概要は?

おもな症状

 

高い発熱
口内炎・水疱
喉・口蓋垂の炎症

症状が似ている病気

 

口内炎
手足口病

起こりやすい合併症

 

熱性痙攣
無菌性髄膜炎・脳炎
心筋炎


ヘルパンギーナってどんな病気?

代表的な夏風邪

 

イメージ画像 4歳以下の小児、特に1歳代に流行することの多い、代表的な夏風邪です。
 毎年、4月〜10月頃に多く、夏季の7月頃をピークとして流行します。

発熱と口の中の腫れ

 

 高熱、喉の奥に紅暈(こううん)で囲まれた小水疱(しょうすいほう)が現れる口腔内の発疹、この2つが特徴的な症状です。
 口腔粘膜に水疱や潰瘍ができ、痛みがあるため、食べたり飲んだりすることが、普段よりも減少します。


ヘルパンギーナの原因は?

コクサッキーウイルスなど

 

イメージ画像 ヘルパンギーナを起こす原因ウイルスは多種類あります。原因ウイルスが数種類あるので、何度もかかることがあります。
 特に多いのは、コクサッキーA群ウイルスです。4型、6型、10型が多いと言われています。
 この他にも、コクサッキーAウイルスでは、2型、3型、5型、8型、16型。コクサッキーBウイルス、エコーウイルスなどもあります。
 コクサッキーウイルスは、ポリオウイルスやエコーウイルスと同じグループで、これらをまとめてエンテロウイルス、腸管ウイルスとも呼ばれます。


ヘルパンギーナの症状は?

急な発熱

 

イメージ画像 経口感染、または経気道感染でウイルスが侵入し、潜伏期間は2日〜6日です。
 突然、39度前後の高熱で発症します。発熱は、1日〜4日続きます。
 口蓋垂(こうがいすい・のどちんこのこと)の上周辺に紅暈(こううん)をともなった多数の小水疱が現れます。喉の奥に現れますが、皮膚には現れないのが特徴です。
 水疱が破れると、1mm〜4mmの潰瘍を作ります。
 幼少期では、痛みのために水分摂取が不足し、高熱の影響もあり、脱水症状を起こすことも多くみられます。痛みをともなうことが多く、不機嫌になり、よだれが出ます。
 下痢や嘔吐など、胃腸症状もみられます。頭痛、筋肉痛などもみられます。

数日で回復する

 

 一般的には、発熱は1日〜4日、喉の痛みは4日〜6日の経過で回復し、予後は良好です。

合併症

 

 発熱にともなって熱性痙攣(ねつせいけいれん)を合併することもあります。
 まれに、無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)、心筋炎を合併することもあります。
 高熱が続いたり、機嫌が極めて悪くなったり、何かいつもとかなり違うような時には、無菌性髄膜炎を合併していることがあるので注意が必要です。


ヘルパンギーナの診断は?

症状から診断可能

 

イメージ画像 高熱と特徴的な口腔内の症状から、ほとんどの場合、臨床的に診断可能で、特別な検査は行いません。
 原因ウイルスを特定するためには、患者さんの咽頭ぬぐい液、便などから、ウイルスを直接分離することがもっとも有効な検査方法です。
 最近では、RT-PCR法を使って、ウイルスの遺伝子(RNA)の検出を行うこともあります。
 抗体価を測定することもありますが、別のものにも反応する交差反応が認められることが多いので、一般的ではありません。

区別が必要な病気

 

 区別が必要な病気としては、手足口病アフタ性口内炎などがあります。
 その他の症状、夏の流行期なども考慮し、ほとんどの場合、臨床症状から診断されます。


ヘルパンギーナの治療法は?

通常は数日で回復

 

イメージ画像 原因となるウイルスに対する特効薬はありません。
 症状を和らげるための対症療法が中心となり、通常は数日で回復します。
 飲食ができなくなったり、脱水症状を併発している場合、輸液・点滴を行うこともあります。
 合併症を併発している場合、入院治療が必要になることもあります。


ヘルパンギーナかなと思ったら?

小児科へ

 

イメージ画像 高熱が出て経口摂取が十分できなくなる場合も多いので、早めにかかりつけの小児科を受診するようにしてください。

予防法

 

 流行時には、うがい、手洗いの敢行、患者さんとの接触を避けることなどが、予防につながります。
 ヘルパンギーナのワクチンは、開発されていません。

注意すること

 

 患者さんの便中には、約1ヶ月間、ウイルスを排泄していることが多いです。
 排便後、おむつ交換後は、手洗いを徹底するようにしてください。
 学校、幼稚園、保育園などでは、登校停止・登園停止の病気にはなっていません。しかしその症状から、急性期は自宅で安静に過ごすことが必要です。

食事

 

 口の中が痛くなり、食べたり、飲んだりすることが難しくなります。
 特に、高熱や、飲むことができなくなるため、脱水症には注意が必要です。氷をなめさせ、少しずつ水分を補給する方法もあります。
 ヨーグルトやアイスクリームなどのように、酸味が強くなく、刺激が少なく、硬くない食べ物をあげるようにしてください。

大人が感染することもあります

 

 子供がヘルパンギーナを発症している場合、子供から2次感染することがあります。体調が良くなく、免疫力が低下していると、2次感染しやすくなります。
 大人は免疫力も体力もありますが、感染すると39℃を超えるような高熱や、重い症状が続くことがあります。
 子供のヘルパンギーナと同様、大人でも数日の経過で軽快します。

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