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手足口病


手足口病の概要は?

おもな症状

 

手のひら、足の裏の発疹
口内炎

似ている病気

 

水痘(水疱瘡、みずぼうそう)
麻疹(ましん、はしか)
帯状疱疹
単純ヘルペス(単純性疱疹)

起こりやすい合併症

 

髄膜炎
中枢神経合併症
心筋炎
急性弛緩性麻痺


手足口病ってどんな病気?

水疱性発疹

 

 夏風邪の一種で、小児期に良くみられる急性熱性発疹症のひとつです。患者さんは幼児が多く、2歳以下で半数を占めます。学童でも発生することがありますが、成人での発症はほとんどありません。
 口内炎、手の平、足の裏に、小さな水疱性発疹(すいほうせいほっしん)があらわれる病気です。


手足口病の原因は?

夏風邪の一種

 

イメージ画像 夏風邪ウイルスの仲間の、コクサッキーウイルスA-16(CA16)、エンテロウイルス71(EV71)などの感染がおもな原因です。ほかに、コクサッキーA-10、コクサッキーB、エコーウイルスなどでも、同様の疾患を起こすことがあります。
 飛沫、あるいは接触で感染し、潜伏期間は3日間〜6日間です。


手足口病の症状は?

急な発熱と発疹

 

イメージ画像 急に38℃台の発熱があります。続いて、口の痛み、ヨダレ、食欲低下、手足の発疹がみられるようになります。
 発疹は3mm〜5mmの丘疹に、2mm〜3mmの楕円形の水疱をともないます。手のひら、手の甲、足底、足の甲、膝伸側部、臀部(でんぶ)にあらわれます。
 熱は2日〜3日で下がります。発疹は3日〜4日で水疱が吸収され、飴色に変化して治ります。

消化器症状があらわれることも

 

 風邪のような症状や、下痢などの消化器症状が先行する、または随伴することもあります。
 エンテロウイルス71型が原因の場合、まれに髄膜炎(ずいまくえん)、肺水腫(はいすいしゅ)、脳幹脳炎(のうかんのうえん)を合併することがあります。
 1997年のマレーシア、1998年の台湾では、エンテロウイルス71型による大流行があり、急死例を含めて数十例の死亡報告があります。エンテロウイルス71型が原因の手足口病が流行している時は、中枢神経合併症に注意が必要です。

似ている発疹性疾患

 
  発疹の症状 発疹の場所 その他の症状
手足口病 楕円形水疱性発疹
小丘疹
手のひら、手の甲
臀部、関節屈側
発熱
口内炎
水痘 丘疹性紅斑
水疱形成
痂皮
全身性で体幹部優位 頭髪部にも発疹
発熱
口内炎
帯状疱疹 小水疱性発疹
小丘疹
片側額
背〜胸
下肢、上肢
皮膚疼痛が先行
泉熱 蝶型紅斑
膨降疹
紅斑

上肢
手の甲
川崎病
腎不全
麻疹 丘疹性紅斑
2日〜3日以内に融合
回復期に色素沈着
顔面から出現
全身性
発熱

コプリック斑結膜炎
突発性発疹 丘疹性紅斑
融合あり、なし
全身性 解熱前後に出現
伝染性紅斑 頬部紅斑
レース様
両側頬部
四肢
反復出現
単純ヘルペス感染 水疱性小丘疹
中心臍窩
口周囲
局所に集まる
発熱
歯肉口内炎

手足口病の診断は?

症状から診断可能

 

 手足口病は、症状から簡単に診断できます。

似ている病気との違い

 

 発疹は体幹にも出現することがありますが、水疱は化膿せず、大きなかさぶたもできません。
 単純ヘルペスでは、発疹は局所に集まり、左右対称的になることはなく、水疱は大きく、中央にくぼみがみられます。
 口の中には、ヘルパンギーナと異なり、臼歯より前部の頬粘膜、口唇内側、舌にも出ますが、ヘルペス性歯肉口内炎のような歯肉の腫れや、発赤はありません。

ウイルス検査

 

イメージ画像 日本での原因ウイルスは、コクサッキーウイルスA16型、エンテロウイルス71型とされています。
 病原ウイルスを特定するために、水疱内容物、咽頭拭い液、便などからウイルスを分離、あるいはRT-PCR法でウイルス遺伝子を検出します。急性期と回復期の血清で、抗体陽転や、抗体価上昇により診断されることもあります。


手足口病の治療法は?

対処療法

 

 手足口病の原因ウイルスの増殖を抑制できる抗ウイルス薬はありません。発熱や痛みに対する治療を行います。
 夏に発生しやすく、痛みで食欲不振が強いと脱水の危険があるので、水分補給に注意しましょう。

重症化することはまれです

 

 基本的には軽症疾患で、予後はよく、重い合併症もまれな病気です。


手足口病かなと思ったら?

安静にして様子をみる

 

 発熱や発疹があらわれても元気なようなら、家で安静にして様子をみれば、自然治癒することがほとんどです。
 水分が摂れなくなったり、高熱、頭痛、嘔吐がある場合は、受診しましょう。子供の場合は、小児科が専門になります。小児科がない場合は、皮膚科になります。

治ってもしばらくウイルスが排泄されます

 

イメージ画像 水疱が存在する間は、他人への感染の可能性があるので、通学などは控えましょう。治ったあとも1ヶ月近くは、便の中にウイルスが排泄されます。
 熱が下がって、子供が元気になれば、学校や保育園に通っても大丈夫です。ですが、排便後の手洗いは必ず行いましょう。

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