そらいろネット > 家庭の医学 > 感染症による病気 > 水疱瘡・みずぼうそう・水痘
漢字で書くと『水疱瘡』と書きます。水痘(すいとう)とも言われます。当サイトでは自分のパソコンで変換しやすいという理由で『水疱瘡』と書かせていただきます(^^ゞ 成人が感染すると、帯状疱疹と言われます。
発熱 体、顔、頭、四肢に広がる発疹(斑点丘疹状→水疱→痂皮へと変化します)
小児ストロフルス 薬疹 風疹 伝染性膿痂疹(とびひ)
二次感染 肺炎 髄膜炎 急性小脳失調症
水疱瘡は、水痘・帯状疱疹ウィルスが原因でかかる感染症です。 ほとんどの人が幼児期から学童期にかけてかかりますが、1歳以下の乳児にもかかる場合があります。 一度かかると免疫ができるため、再び水疱瘡にかかることはほとんどありません。ただし、水疱瘡が治った後もウィルスは潜んでいて、数十年後になんらかのきっかけで、再び病気になってしまうことがあります。これは、『帯状疱疹(たいじょうほうしん)』といわれる病気です。 12月〜6月に多いようです。
帯状疱疹も帯状ヘルペスと言ったりします。 単純性疱疹と違って、多くの場合は一生に一度だけの発病になります。これは同じヘルペスでも、原因となるウイルスが違うので、症状も違ってきます。
水疱瘡や帯状疱疹の人に接触してから、約2週間〜3週間の潜伏期間のあと、症状があらわれてきます。 飛沫感染や、直接接触、空気伝播で拡がります。患者の皮膚や粘膜からの排出物が、器具を介して間接的に感染することもあります。
発熱と共に、お腹や背中に赤い虫さされのような発疹ができ、その先端が水を持つようになります(水疱と言います)。発疹や、水を持った発疹は、4日間〜5日間増え続け、体、顔、頭、口の中まで広がっていきます。衣服で覆われている部分に多くでき、露出部分にはあまりできません。 水を持った発疹は2日〜3日で乾燥し、かさぶたになります。発疹、水疱、かさぶたなど、大小、新旧さまざまの皮疹が混在しているのが特徴です。かさぶたは2週間前後で取れて、少しあとが残りますが、半年ほどでほとんど消えていきます。
症状が似ている病気としては、小児ストロフルス、薬疹、風疹、伝染性膿痂疹(とびひ)があります。 おこりやすい合併症としては、二次感染が多いです。肺炎、髄膜炎、急性小脳失調症など。
死亡するようなことはほとんどありません。 健康な子供にとっては、水疱瘡は比較的軽い病気ですが、まれに脳炎、髄膜炎をともなって重症化することがあります。また、アトピー体質の子供は、皮膚が弱いため発疹が強く出ることがあります。 白血病の小児や、がん患者の場合、重症化する傾向があります。また、ステロイド剤を使用すると、出血性水疱疹を起こすことがあります。
健康な子供の水疱瘡では、症状の出始めで重症化するかどうかの判断はできないので、だれでもかかる病気と軽く考えず、発症したらすぐにお医者さんに診てもらうことが大切です。
発疹があらわれる1日前から、かさぶたになるまでのおよそ1週間は、感染の可能性があります。水疱瘡は、主に飛沫感染によって他人にうつります。 大人になってから水疱瘡に感染すると重症になることが多いので、子供のうちに済ませるのは良いことです。健康な子供に対しては、あまり神経質になる必要はありません。ただし、健康状態が思わしくない子供や、まだ水疱瘡にかかっていない大人が周囲にいる場合には注意した方がいいでしょう。
家族内で感染した場合、あとから感染した子供の方が症状がひどくなる可能性がありますので、このような場合にもお医者さんに相談した方がいいでしょう。
症状に応じて、解熱剤、かゆみ止め、抗生物質などで治療します。これらの薬は水疱瘡の原因ウィルスをやっつける薬ではなく、対処療法になります。 最近では、ウィルスに直接作用する薬もありますので、「水疱瘡かな?」と思ったらすぐに、お医者さんに相談してみてください。素人判断で薬を使うのは危険な場合もありますので、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。 回復した人の高い抗体価を持つ血清を精製したヒト・ガンマ-グロブリンは予防に使われます。治療にはアシクロビルが主に使われます。
発疹を引っ掻いた傷が化膿してあとが残ることがあります。手は清潔にしておき、爪を短くしたり、綿の手袋を使ったりするなどの工夫をしてください。 かゆみを抑える薬もあるので、医師に相談してみてください。
熱がある間、新しい発疹が増えている間は控えてください。通常、発症から1週間くらいすると、発疹のほとんどがかさぶたになりますので、水疱を破らないように気を付ければ入浴が可能です。 入浴後は、水疱内に細菌が入らないように処置をする必要があります。
すべての水疱がかさぶたになると、人にうつすことはなくなるので、集団の中に入っても大丈夫です。水痘・帯状疱疹ウイルスの感染力はとても強いので、それまでは子供が元気でも、休ませてください。