そらいろネット > 家庭の医学 > 感染症による病気 > 麻疹・はしか
38度〜39度の発熱 鼻水 咽頭痛 くしゃみ、せき 1日〜3日で解熱し、解熱後に斑点状の発疹が出現 結膜炎、めやに コプリック斑(頬部、口唇の裏側の粘膜の白い斑点)
猩紅熱(しょう紅熱) 紅熱 風疹 突発性発疹(とっぱつせいほっしん・小児バラ疹) 伝染性紅斑・りんご病 薬疹 紫斑病 紅斑性狼瘡(こうはんせいろうそう)
肺炎 脳炎 中耳炎
急性で、伝染性が強い麻疹ウイルスの感染によって起こります。この病気は、「届出伝染病」になっています。
感染経路は、患者の鼻や咽頭などの分泌液からの飛沫感染か、直接感染になります。
潜伏期間は、感染から前駆症状が出る時期までの約10日間です。発疹出現までは、約14日間になります。
麻疹罹患後、数ヶ月後、もしくは6年〜8年後、亜急性硬化性全脳炎(あきゅうせいこうかせいぜんのうえん)が起こることがあります。 症状は、始めのうちは、忘れっぽい、自閉傾向、言語不明瞭などの知能的行動異常があらわれます。その後、痙攣(けいれん)、運動障害をみるようになり、さらに悪化すると昏睡状態から死に至ることもあります。 頻度は100万人に5人〜10人程度で、4歳〜10歳の小児に多く現れます。
定型的な経過をとる場合には、38度〜39度の発熱があり、上気道のカタル症状のほか、口腔粘膜のコプリック斑が認められます。これが、前駆症状です。 その後、1日〜2日で解熱しますが、再び上昇して発疹期に入ります。
発疹は前額部や耳後部から出始めます。24時間〜48時間以内に、胸、顔、背、腹、四肢と全身へと広がります。
発疹は斑状丘疹性(はんじょうきゅうしんせい)で、合併症がなければ、解熱とともに出現した順序で消退し始めます。 消退後でも、正常に戻るには10日間以上かかります。色素沈着は残しません。
まれに、急激に発症して、高熱、けいれん、昏迷から、昏睡に陥ることがあります。 皮膚・粘膜に広範な出血斑が認められる重症出血性麻疹(じゅうしょうしゅっけつせいましん)の場合は致命的です。
麻疹予防ワクチンが開発されて、致命率は減少傾向にあります。 一度かかると永久獲得免疫が得られます。 もし発症した場合、隔離し、安静にした上で、解熱剤などの対処療法を行います。そのほか、合併症の予防のために抗生物質を投与します。
生ワクチンは、生後12ヶ月〜72ヶ月(ただし、個別方式では18ヶ月〜36ヶ月)に実施するのが望ましいとされています。
1回の接種で、95%以上の感受性小児に免疫が得られ、14年間持続することが確かめられています。 ただ、接種を受ける前に、輸血やガンマグロブリンの注射を受けた場合、ワクチンが中和されてしまう恐れがあります。そのため、約3ヶ月は接種を延期します。
活動性結核(かつどうせいけっかく)、鶏卵アレルギーがある場合は、ワクチン接種はできません。 また、妊婦、白血病、先天性免疫異常、免疫抑制療法中の患者もワクチンの接種はできません。