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せき 血痰(けったん) 胸痛 息苦しさ
肺ガン 肺結核 肺炎 胸膜炎
気胸
大きさ、形、ともにコーヒー豆のような寄生虫が、肺、またはその周辺に寄生する病気です。 まれに脳にも寄生することがあります。脳に寄生した場合、脳腫瘍になる可能性もあります。
日本では、ウエステルマン肺吸虫と宮崎肺吸虫の2種が知られています。 ウエステルマン肺吸虫はモクズガニ、宮崎肺吸虫はサワガニを生で食べると感染する危険性があります。 肺吸虫の幼虫が寄生した野生のイノシシ肉を生で食べて感染した例もあります。 カニは、調理に使ったまな板、包丁も、熱湯で処理しないと感染する可能性があります。 身近な生き物図鑑:身近な甲殻類図鑑 身近な生き物図鑑:身近な動物図鑑 家庭の医学:住血吸虫症とは?
肺に寄生すると、せき、錆色の血痰が出るのが特徴的です。肺ガンや、結核とよく間違えられます。胸部レントゲン検査でも、肺の影として映るので間違えられることが多いです。痰や便の中から虫卵を検出することで診断します。発熱はあまりありません。 胸膜に寄生すると熱が出て胸痛も強く、胸に水が貯まったり、気胸を起こすこともあります。血痰は出ません。
抗寄生虫薬のプラジカンテルという薬を使用すれば、簡単に駆虫できます。 胸水がたまっている場合は、胸水を抜いてから治療を開始します。
もし、症状のあらわれる数ヶ月間に淡水産のカニを食べたり、イノシシを食べるなどの見に覚えがあれば、受診時に必ず医者に報告してください。 血痰が出た場合は、結核や肺ガンの可能性もありますので、必ず病院に行き検査を受けましょう。
モズクガニ、サワガニ、イノシシ肉を食べるときは、しっかりと加熱してから食べることが、最大の予防法になります。