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外表奇形（がいひょうきけい）などの肉眼的異常がなく、出生体重が4000g以上の新生児を巨大児と呼びます。高出生体重児と呼ばれることもあります。 なお、2500g未満で生まれた新生児を低出生体重児（ていしゅっせいたいじゅうじ）、1500g未満の新生児を極低出生体重児（ごくていしゅっせいたいじゅうじ）、1000g未満の新生児を超低出生体重児（ちょうていしゅっせいだいじゅうじ）と呼びます。平均は男子で3200g、女子で3100gです。 赤ちゃんは体重のわりに表面積が大きいので、身体から失われる水分量が多いとされています。尿、便、体表から失われる水分量は哺乳量では補い切れず、生まれてから一時的に体重は減少します。
一般に、糖尿病の母体から出生した新生児は、巨大児になる傾向があるとされています。 実際には、巨大児の中で母体が糖尿病を持つ割合は、2割以下です。糖尿病以外の危険因子が存在します。
胎児の発育は、遺伝因子と子宮内環境に依存しています。 子宮内環境は胎盤の機能に依存しています。胎盤を介して、ブドウ糖の通過が過剰になると、胎児の発育が過剰になります。 先天異常や、原因不明のものもあります。
巨大児は、2つのタイプに分類されます。 対称性巨大児と呼ばれ、遺伝的な結果で生じ、正常な子宮内環境下で発育します。 胎児が大きい以外には、異常は認められません。 分娩時に胎児の上半身が引っ掛かり、産道を通過しづらくなる肩甲難産（けんこうなんざん）が問題になります。
母体が真性糖尿病、あるいは妊娠性糖尿病で出生した新生児にみられるものを、非対称性巨大児と呼ばれます。母体の血糖コントロールが悪い場合に多いとされています。 非対称性巨大児では、臓器の腫大を特徴とし、心臓、肝臓、肺、副腎、脾臓（ひぞう）などの腫大が認められます。 母体が高血糖のため胎盤を通して、多量のブドウ糖が胎児に移行し、その結果、胎児は血糖の調節のためにインスリンというホルモンが多量に分泌され、これが体重増加に関係して巨大児になるとされています。
胎児の身体が大きすぎて、難産の原因になることがあります。 その結果、分娩損傷（ぶんべんそんしょう）、仮死産（かしざん）になることもあります。
丸々と良く太った満月様顔貌（まんげつようがんぼう）、リンゴ様顔貌（りんごようがんぼう）、太った身体、頭髪も豊富です。
糖尿病の母体から出生した新生児の場合、子供の身体は大きくても、呼吸障害、低血糖、低カルシウム血症、多血症、高ビリルビン血症・新生児黄疸（しんせいじおうだん）、心不全症状など、多様な症状が現れます。
母体の合併症の有無、妊娠経過の把握、新生児の多様な症状の有無の確認が重要になります。 分娩前に巨大児が疑われた場合、血糖管理方法が適切かどうか再検討し、高血糖にともなう母体の合併症の有無を確認します。分娩時には微弱陣痛、分娩遷延、回旋異常、肩甲難産、産道裂傷などが多くなるため、帝王切開での出産も考慮します。
非対称性巨大児では、さまざまな合併症を起こす可能性が高いため、専門施設での治療が必要になります。対称性巨大児では、身体が大きいだけで治療の必要がない場合がほとんどです。 重症の低血糖になることがあり、ブドウ糖の輸液が必要になります。呼吸障害に対しては酸素の投与、人工呼吸管理が必要になることがあります。
糖尿病を合併している妊婦さんでは、血糖のコントロールを良好に保つことがとても重要になります。内科医の診察を受けるようにしてください。 妊娠中の糖尿病の管理は、母親だけでなく、子供にとっても大切です。
巨大児
外表奇形（がいひょうきけい）などの肉眼的異常がなく、出生体重が4000g以上の新生児を巨大児と呼びます。高出生体重児と呼ばれることもあります。
胎児の発育は、遺伝因子と子宮内環境に依存しています。
胎児の身体が大きすぎて、難産の原因になることがあります。
母体の合併症の有無、妊娠経過の把握、新生児の多様な症状の有無の確認が重要になります。
非対称性巨大児では、さまざまな合併症を起こす可能性が高いため、専門施設での治療が必要になります。対称性巨大児では、身体が大きいだけで治療の必要がない場合がほとんどです。
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