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視界にゴミのようなものが見える |
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日本人の場合、視界に小さなゴミのようなものが見える霧視(むし)と呼ばれる症状が多くみられます。
痛みをともなわない皮膚結節、皮下結節、筋肉内の結節、頸部リンパ節の腫脹、腋窩リンパ節の腫脹、鼠頸部リンパ節の腫脹がみられることもあります。
障害される臓器別の割合では、肺門や縦隔などのリンパ節の腫れを中心とするものが90%、肺そのものの障害が40%、目の症状が20%〜60%、皮膚の症状が10%〜20%、体表近くのリンパ節の腫れが10%〜20%となっています。
ごくまれな症状としては、発熱、倦怠感(けんたいかん)、体重減少などがみられます。 |
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日本人は軽症が多い |
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日本人の肺サルコイドーシスは、軽症例が多いという特徴があります。
自覚症状がなく、健康診断の胸部エックス線写真で偶然に発見されることも多いです。全体の40%では、自覚症状がありません。 |
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肺の症状 |
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初期では多くの場合、胸部エックス線写真に肺門部(はいもんぶ)にリンパ節の腫れがみられ、病気が発見されます。両側肺門リンパ節腫脹(BHL)といい、肺にできる肉芽腫の特徴です。この場合、ほとんど自覚症状がなく診断がつきます。
肺の中にまで病気が進行すると、咳、息切れが出てくることがあります。症状が軽いうちに、肺線維症(はいせんいしょう)へ進行する前に治療を始めることが推奨されます。 |
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目の症状 |
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日本人では、欧米に比べると、目の症状をきっかけに病気が発見されることが多いのが特徴です。
目のぶどう膜と呼ばれる部分で炎症が起こり、視界に小さなゴミのようなものが見える霧視(むし)と呼ばれる症状が起こります。また、蚊が飛んでいるように見える飛蚊症、視力低下などが起こります。
眼科でぶどう膜炎と診断されたら、サルコイドーシスである可能性も考慮し、内科へ紹介され全身の検査を行います。
放置しておくと失明する危険性もあるため、適切な治療を受けることが大切です。肺の病変とは異なる時期に起こることもあるため、注意が必要です。
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心臓の症状 |
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心臓にサルコイドーシスの病変が起こると、脈が不規則になる不整脈、めまい、動悸(どうき)、失神などが起こります。
さらに心臓の機能が低下すると、動くと息切れがするなど、心不全の症状が出てくることがあります。
日本でのサルコイドーシスによる死因でもっとも多いのは、心臓におけるサルコイドーシスです。そのためサルコイドーシスとわかったら、症状がなくても、定期的に心臓の検査を行うことが大切になります。 |
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皮膚の症状 |
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サルコイドーシスによる皮膚病変は、いろいろな型があります。一般的には皮膚サルコイドーシスと呼ばれます。
皮膚の表面には、丘疹、紅斑、しもやけのような変化がみられます。 |