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 がま腫・ラヌラ
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がま腫・ラヌラってどんな病気?
舌の裏側などにできる嚢胞
  イメージ画像 典型例では、口の中の底と下顎の間の部分の口腔底に、唾液の貯まった嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋ができ、腫れる病気です。
 粘液嚢胞と同じで、唾液が貯まった嚢胞です。
 貯留嚢胞は、 舌下部(ぜっかぶ)にできたり、顎下部(がっかぶ)に生じ下顎の下外側の皮膚側が腫れることもあります。
ガマガエルの咽喉袋に似ていることから
   透明感のある半球状の膨らみで、ガマガエルの咽喉にある袋に似ていることから、がま腫・ガマ腫という病名が付きました。

がま腫・ラヌラの原因は?
唾液の詰まり
  イメージ画像 唾液腺(だえきせん)で作られた唾液が、何らかの原因によって炎症が生じ排出障害を起こし、傷が付き組織中に漏れ出すようになると考えられています。
 漏れ出た唾液は粘性が高くトロトロとしていて、組織内で嚢胞を作ります。嚢胞は徐々に大きくなっていきます。
 口腔底には左右にひとつずつ、舌下腺という唾液腺があります。舌下腺では粘液性の唾液を作り、唾液腺に関連して発症します。

唾液腺の種類
唾液腺の場所
  イメージ画像 耳下腺(じかせん)、顎下腺(がくかせん)、舌下腺(ぜっかせん)の大唾液腺があります。唇、上顎の奥の方の粘膜、頬、臼歯部の粘膜部、舌の先端の下の粘膜には米粒ほどの大きさの小唾液腺が点在します。
耳下腺と顎下腺
   耳下腺は両側の耳の前から耳たぶ付近にあり、口の中では上顎の大臼歯に相当する頬の粘膜に出口があります。おたふくかぜで腫れるのは、この唾液腺です。
 顎下腺は下顎より下で、えらから少し前寄りの部分にあり、出口は舌と奥歯の間の粘膜下にある舌下腺と一緒で、舌の先端の真下で歯茎寄りの粘膜にあります。外から顎下腺のある部分を指で押すと、唾液が流れ出るのがわかります。
舌下腺と小唾液腺
   舌下腺は、舌下部粘膜下にあります。導管は短く、舌下小丘部付近に開口しています。分泌される唾液は、粘液性唾液で粘稠です。
 小唾液腺は口腔粘膜下に600個〜1000個あり、すべてが粘液腺です。小唾液腺がある部位によって、口唇腺、舌腺、口蓋腺、頬腺、舌口蓋腺、臼後腺などの名称が付けられます。
唾液の性質
   唾液腺から出る唾液の性質は、粘り気のある舌下腺や小唾液腺からのもの、さらさらした耳下腺からのもの、その中間の顎下腺からのものに分類されます。

がま腫・ラヌラの症状は?
少しずつ大きくなる
  イメージ画像 通常では、口底部の粘膜下の片側に発生します。
 粘膜は、水を入れた風船のように腫れていきます。比較的柔らかく、壁の薄い袋状の、痛みのない腫れです。表面は滑らかな正常な粘膜に覆われていて、内部が透き通り、青みを帯びて見えます。
 腫れがひどくなると、舌が押し上げられたようになることがあります。
 袋状の病変は徐々に大きくなり、嚥下時などに舌の運動を損なうようになります。
潰してしまっても再発することが多い
   誤って自分で噛んでしまい、一部が破れると、嚢胞から粘性の高い液が出て、腫れはなくなります。
 しかし、しばらくすると、再び同じように腫れてしまうことが多いです。
下顎の外側にできる場合
   下顎の外側が腫れてくる場合、痛みがなく、自覚症状がほとんどないまま柔らかく腫れてくるので、唾液の貯まりがかなり多くなるまで、気が付かないことがあります。

がま腫・ラヌラの診断は?
典型例では診断は容易
  イメージ画像 症状と所見から、ほとんどの場合、診断が可能です。
 内用液を注射針で吸引して、唾液かどうか確認することもあります。この診断によって、同時にがま腫を小さくすることも可能です。
 下顎の外側が腫れるタイプの場合、リンパ管腫というリンパ液の貯まる病気などの見分けが必要になります。
 検査では、嚢胞と舌下腺との関係を明らかにするため、MRIが有用です。

がま腫・ラヌラの治療法は?
開窓術
  イメージ画像 大きなものでは、嚢胞壁の一部を切除し、解放窓を口腔内に作ることで縮小させます。解放部が再び閉じないように経過観察をするうち、嚢胞は縮小し、完治します。
 この手術法は、開窓術と呼ばれ、外科小手術として行われます。
 手術は簡便ですが、再発することが少なくありません。
舌下腺摘出術
   もっとも確実な治療法は、原因となっている舌下腺を摘出する、舌下腺摘出術です。再発を繰り返す場合、検討されます。
 舌下腺を完全に摘出すれば、再発することはありません。
 片側の舌下腺を摘出しても、口が渇くという問題が起こることもありません。
 手術には、通常は入院が必要になります。
その他の治療法
   唾液を流す経路を新たに作る手術があります。
 手術以外の治療法では、注射針で貯まった唾液を抜き取り、代わりにOK-432(ピシバニール)という薬剤を注入する方法もあります。副作用としては、発熱があります。2011年(平成23年)、保険適応された治療法です。

がま腫・ラヌラかなと思ったら?
耳鼻咽喉科へ
  イメージ画像 口腔底や、顎の下に腫れを感じたら、耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。
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