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はやり目・流行性角結膜炎


はやり目・流行性角結膜炎の概要は?
おもな症状
  強い結膜の充血と腫脹
目ヤニ(眼脂・がんし)
流涙(りゅうるい)
羞明(しゅうめい)
異物感
耳前リンパ腺腫脹
症状が似ている病気
  急性出血性結膜炎(きゅうせいしゅっけつせいけつまくえん)・アポロ病
急性アレルギー性結膜炎(きゅうせいあれるぎーせいけつまくえん)
急性結膜炎
淋菌性結膜炎(りんきんせいけつまくえん)
起こりやすい合併症
  角膜炎
角膜潰瘍(かくまくかいよう)
偽膜性結膜炎(ぎまくせいけつまくえん)

はやり目・流行性角結膜炎ってどんな病気?
感染力が強い
   はやり目は、急に目ヤニ、流涙、強い結膜の充血が起こります。はじめは片眼だけでも、やがて両目に症状があらわれます。
 感染力が強く集団発生して流行するので、「はやり目」と呼ばれます。院内感染を引き起こすこともあります。
はやり目・流行性角結膜炎の原因は?
ウイルス感染
   はやり目の原因はおもに、アデノウイルスD亜群のアデノウイルス8型、19型、37型による感染です。ほかの型のアデノウイルスでも、同様の症状があらわれます。

結膜とは?
まぶたの内側と眼の粘膜
   結膜とは、眼球の白眼を覆っている眼球結膜(がんきゅうけつまく)、上下で折れ返って上下眼瞼(がんけん、まぶたのこと)の裏側までを覆う粘膜のことです。
 涙の成分のひとつである、ムチンという粘液を分泌しています。

はやり目・流行性角結膜炎の症状は?
5日〜14日後に発症
   結膜炎の患者さんとの接触後、流行性角結膜炎(はやり目)では5日〜14日、急性出血性結膜炎(アポロ病)では約1日の潜伏期間ののち、症状があらわれます。
 症状は、比較的水っぽい目ヤニ、流涙、強い結膜充血、光が異常にまぶしく感じる(羞明)、異物感、熱感、眼痛などがあらわれます。急性出血性結膜炎では、白眼(眼球結膜)に出血が起こります。
ブツブツやリンパ節の腫れ
   眼瞼結膜(がんけんけつまく)には、濾胞(ろほう)と呼ばれるブツブツが多数できます(急性濾胞性結膜炎)。角膜に混濁が起きると、視力が低下します。
 眼の症状以外にも、耳の前のリンパ節が腫れ、痛みをともないます。
 偽膜形成や、角膜びらんがみられる重症例もあります。

はやり目・流行性角結膜炎の診断は?
約10分で検査可能
   多くの場合、所見から診断することができます。はやり目(流行性角結膜炎)の可能性があれば、麻酔薬を点眼して結膜を綿棒でこすり、アデノウイルスを検出するアデノクロンなどの試薬キットで検査をおこないます。約10分で結果が出ます。
 ただし、簡単に検査を行えますが、アデノウイルス感染を100%検出できるものではありません。
 また、血液検査でウイルスに対する抗体価を調べたり、結膜から採取したサンプルを顕微鏡で調べたりもします。
眼脂・めやにとは?
漿液性・粘液性・膿性
   結膜炎の眼脂には、漿液性(しょうえきせい)と呼ばれるサラッとした水のような眼脂。粘液性と呼ばれるネットリとした眼脂。膿性(のうせい)と呼ばれるクリーム状の眼脂などの種類があります。
 漿液性眼脂は、ウイルス性結膜炎で多くみられます。粘液性眼脂は、アレルギー性結膜炎で多くみられます。膿性眼脂は細菌感染で多くみられます。など、膿性眼脂が多量に出るような状態は、膿漏眼(のうろうがん)と呼ばれます。
眼脂の顕微鏡検査
   しかし、眼脂の状態だけで結膜炎の原因を特定することはできません。
 眼脂を顕微鏡で検査し、含まれている白血球細胞の種類が特定できれば、結膜炎の原因をある程度特定することができます。
 単核球が多ければウイルス性、多核白血球が多ければ細菌性、好酸球が多ければアレルギー性と診断します。
清潔を心がけて
   眼脂が出ていると、ネバネバしていて不快な上、物が見えにくくなります。水でぬらしたティッシュペーパーやコットンで軽くふき取るようにしましょう。
 その後、石鹸でしっかりと手を洗い、清潔を心がけます。

はやり目・流行性角結膜炎の治療法は?
抗生剤やステロイド薬の目薬
   アデノウイルスを直接死滅させる有効な抗ウイルス薬は開発されていません。
 細菌による混合感染を防ぐため、抗生剤を点眼します。また、炎症を抑えるためにヘルペスでないことを確認してから、ステロイド薬の点眼をします。

はやり目・流行性角結膜炎かなと思ったら?
他人にうつさないように
   アデノウイルスは感染力が強いので、他人にうつさないように努力する必要があります。
 接触感染するので、手で眼を触るとウイルスが手に付着し、その手で物を触ると触った物にウイルスが付着し、それを誰かが触るとその手がウイルスで汚染され、その手で眼を触ると感染します。
さまざまな工夫
   結膜が充血し、目ヤニが出るようになったら、眼はあまり触らないようにしましょう。また、手は石鹸を使ってしっかり洗いましょう。
 タオルなどは家族とは別のものを使用し、お風呂は一番最後に入るようにします。
 市販のアルコール系消毒液は、ウイルスの消毒に効果があります。
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