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遺伝子異常の発見 |
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1986年、デュシェンヌ型の遺伝子異常が見付かり、この遺伝子が作るジストロフィンと呼ばれる蛋白質も明らかにされました。
この蛋白質は、正常では筋肉細胞の膜の内側に存在しています。
さらなる研究によって、ジストロフィンと関連している膜蛋白質がたくさん見付かり、それらのうちのいくつかが、蛋白質の異常や欠損によって筋細胞中のさまざまな筋ジストロフィーが発症することがわかりました。
他の場所にある蛋白質の異常でも、筋ジストロフィーを発症することもわかってきました。 |
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デュシェンヌ型とベッカー型 |
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デュシェンヌ型と良性型のベッカー型とでは、同じ遺伝子の異常で発生します。
ベッカー型では、遺伝子の障害の性質が違うため、軽症となります。 |
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顔面肩甲上腕型 |
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遺伝子の異常は、筋強直型を除けば、遺伝子の一部が欠ける欠失、遺伝子が余分にある重複、一部が置き換えられるなどの異常がみられます。
顔面肩甲上腕型(がんめんけんこうじょうわんがた)は、違うメカニズムで発症すると考えられています。 |
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肢帯型 |
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肢帯型は、常染色体劣性遺伝疾患(じょうせんしょくたいれっせいいでんしっかん)と考えられてきましたが、常染色体優性型(じょうせんしょくたいゆうせいがた)も発見されました。
近年では、先天型の遺伝子異常の研究がさかんに行われています。 |
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筋強直性ジストロフィー |
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第19染色体のMPTK遺伝子の中で、3つの核酸(CTG)の繰り返しが異常に延長して起こる病気です。動物実験でこの遺伝子に異常を起こしたマウスでは、軽い異常しかみられません。MPTK遺伝子周囲の遺伝子のスプライシング異常を引き起こすことにより発症するのではないかと考えられています。
常染色体優性遺伝疾患(じょうせんしょくたいゆうせいいでんしっかん)なので、男女共に発病します。通常は30歳くらいで発病しますが、小児期や生後すぐに発病することもあります。
とくに生後すぐに発病するタイプは先天型と呼ばれ、生後まもなく人工呼吸器の装着を必要とすることもある重症な病気です。 |