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急激な激痛 |
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ヘソの周囲に急激な激痛、差し込むような痛みの疝痛(せんつう)が起きます。
虫垂の炎症がひどくなるにつれ、痛みは次第に右下の方に移ります。炎症が虫垂の接する腹膜にまで及ぶと、その部分に痛みが集中します。この部分を「マックバーネー点」と呼び、ヘソから右の腰骨までの線上の外側3分の1の部位に相当します。 |
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特徴的な痛みの症状 |
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虫垂炎を起こすと、マックバーネー点を押さえた時、強い痛みが起こります。
腹の右側をしばらく押さえていて、急に手を離すと、さらに痛みが強くなります。これを反跳痛(はんちょうつう)と呼びます。
飛び跳ねたとき、歩いてかかとをトンと着いた時などに、強い痛みが現れるのも特徴的な症状です。 |
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発熱、吐き気、嘔吐も |
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37.5℃前後の微熱〜軽度発熱、吐き気、嘔吐を起こすことも、一般的な症状です。炎症性疾患なので、発熱は必ずともないます。消化器疾患なので、食欲も低下します。
腹膜への炎症が始まってきた時には、腹部の緊張を緩めるために、おなかを抱えて丸くなる姿勢をとることがよくみられます。 |
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腹膜炎に進行することも |
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虫垂の炎症が強くなって破裂し穿孔(せんこう)が起こると、痛みは一時的に消えてしまうことがあります。
しかしその後、腹膜炎を併発して万力で締め付けるような強い痛みが出てきます。この時は、腹は固くこわばり、押さえると非常に痛みます。
病理医学的には、以下の3段階に区分できます。診断が遅れても、Aの段階で手術をすることが、術後の経過においても重要となります。 |
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カタル性虫垂炎 |
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抗生剤の投与で治療可能です。 |
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蜂窩織炎性虫垂炎(ほうかしきえんせいちゅうすいえん) |
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膿が虫垂突起の中に充満しますが、穿孔はありません。治療には手術が不可欠となります。 |
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壊疽性虫垂炎(えそせいちゅうすいえん) |
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虫垂組織が壊死し、穿孔があり、腹膜炎、膿瘍(のうよう)をともないます。治療には手術が不可欠です。 |