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 更年期外来に行こう
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更年期障害ってどんな病気?
発汗、動悸、イライラなど
  イメージ画像 更年期とは生殖期から老年期の移行期です。だいたい45歳〜55歳の閉経前後の約10年間を挿します。
 加齢にともなって性腺機能が衰退していきます。特に卵巣では排卵などの機能が消失しはじめ、やがて月経が不順になり、完全になくなって閉経になります。
 さらに心理的因子、社会的因子、加齢による全身機能の低下が関与して形成される発汗、ほてり、手足の冷え、動悸、不眠、イライラ、抑うつ感、頭痛、肩凝り、疲れやすいなどの不定愁訴を更年期症状といいます。
 更年期症状が日常生活の営みに障害になる場合、更年期障害といいます。

更年期障害の治療法は?
ホルモン補充療法
  イメージ画像 日本の医師の多くが、患者さんに対してホルモン補充療法を行っており、かなり普及しています。この10年くらいの間に、ホルモン補充療法の関心が高まり、広く普及していきました。
 患者さんのヘルスケアに対する認識や健康増進への関心も増しており、ホルモン補充療法を聞いたことがある人や、感心を持っている人は、半数以上にものぼっています。しかし実際にホルモン補充療法を経験した患者さんは、1.3%にすぎません。

更年期外来・閉経外来の目的は?
生活の質を高めること
  イメージ画像 女性の生活の質(QOL:Quality of Life)を維持・向上させ、予防医学を中心とした医療を行うため、更年期外来・閉経外来があります。
 更年期障害の対応にとどまらず、骨粗鬆症動脈硬化、尿失禁、物忘れから始まる痴呆などの予防を念頭に置き、更年期以降の女性の長期的な健康管理を行い、閉経後から30年以上に渡る生活の質を高めることが目的です。
 患者さんの訴え、患者さんを取り巻く社会的環境、家族関係について十分な問診を行い、問題点の解決を患者さんと十分に時間をかけて検討していきます。栄養学やスポーツ医学の観点から、実際的なアドバイスも行います。
進んでいる欧米での治療
   欧米では閉経前後の女性の健康管理に大きな関心を集めており、更年期医療にとどまらず、QOLの維持・向上のため、各地に閉経外来・メノポーズクリニックが存在します。
 45歳〜64歳の女性でホルモン補充療法を受けている女性は30%〜40%もおり、日本よりもはるかに多くなっています。

更年期外来・閉経外来の年齢層は?
45歳〜60歳
  イメージ画像 更年期外来に通院する患者さんの年齢は、45歳〜60歳がもっとも多くなっています。
 周産女性診療科で更年期外来に通院する患者さんは、約20%を占めています。

更年期外来の代表的な症例は?
症例その1
  イメージ画像 52歳の主婦です、2回の出産経験があります。疲れやすい、ほてり、肩凝りを訴え、更年期外来に訪れました。
 46歳の時に貧血と診断されました。検査の結果、子宮筋腫と診断され、腹式子宮全摘術、右付属器切除術の手術を受けました。術後は順調に経過していましたが、2ヶ月前から疲れやすくなり、顔が急に熱くなったり、肩凝りがひどく、手足が冷えるなどの症状が現れました。
 採血の結果、女性ホルモンは低値で、閉経後を示す結果でした。
症例その2
   48歳の主婦です、妊娠経験はありません。肩凝り、手足のむくみ、イライラを訴え、更年期外来に訪れました。
 20歳頃から月経不順で、3ヶ月くらい月経がないこともありました。子どもが欲しくて産婦人科に通院しましたが、妊娠しませんでした。42歳で閉経し、軽度のほてりを感じただけなので様子をみていました。ところが最近になって、イライラや気分の落ち込みを強く感じるようになりました。
 DEXA法で骨密度測定を行った結果、骨密度は年齢平均の75%に低下していました。
症例その3
   55歳の会社員です、4回の出産経験があります。ほてり、不眠、頭痛、腰痛、尿失禁を訴え、更年期外来に訪れました。
 5年〜6年前からほてりや頭痛を自覚していましたが、そのままにしていました。2年前に閉経した頃よりほてりが増して、不眠も現れました。
 採血の結果、総コレステロール250mg/dl、HDLコレステロール150mg/dl、中性脂肪260mg/dlでした。

更年期障害の原因は?
ほてり・のぼせ
  イメージ画像 性成熟期が終わり更年期に入ると、卵巣の卵母細胞の数が急激に減少します。
 卵巣の女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの産生の周期性が乱れ、産生量は減少し、やがてホルモン産生は停止し、閉経になります。
 卵巣機能の低下を脳が察知して、視床下部・下垂体を刺激し、性腺刺激ホルモンの産生亢進を引き起こします。
 ほてりやのぼせなどの自律神経症状、血管運動神経症状、精神運動症状などの症状は、低エストロゲン状態と高性腺刺激ホルモン状態が原因です。
骨粗鬆症・萎縮性膣炎・動脈硬化
   エストロゲンが低下すると骨代謝の骨吸収が増加し、骨量低下を引き起こし、骨粗鬆症の原因となります。
 エストロゲンの低下で、膣の自浄作用を低下させ萎縮性膣炎を起こします。そのため、膣乾燥感、性交痛、膣灼熱感、性交障害などの原因となります。
 閉経によって悪玉コレステロールと中性脂肪であるLDLコレステロールが上昇します。善玉コレステロールであるHDLコレステロールは低下します。その結果、冠動脈疾患の発生率が上昇します。
老人性痴呆・尿失禁
   エストロゲンは脂質代謝に関与し、血中総コレステロールを低下させ、HDLコレステロールを上昇させ、LDLコレステロールを低下させます。
 エストロゲンの低下は、老人性痴呆や尿失禁にも関与しています。
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