平地、低山地などに普通に生息する、アゲハチョウの仲間。
前翅長は38mm〜58mmになります。黄白色と黒色の斑紋で、前翅中室の斑紋が黄白色と黒色の線で構成されます。夏型では春型に比べ、斑紋が不鮮明になり、大型になります。
幼虫は、芋虫です。体長は約45mmになり、地色は緑色で、副前頭縫線の外側に接して黒線があり、前面に細い八字紋を作ります。刺激を与えると、V字型の臭い匂いのある橙黄色の臭角を出します。若い幼虫は鳥の糞に擬態しています。
越冬形態は、さなぎです。
食べ物は、成虫では、春季はツツジ、夏季以降はアザミ、ヤブガラシ、ヒガンバナなどの花の蜜を吸蜜します。幼虫では、ミカン科のカラタチ、サンショウ、イヌザンショウ、キハダ、カラスザンショウなどを食べます。
生活型は、卵→幼虫→さなぎ→成虫の、完全変態を行います。寒冷地では年2回、暖地に向かうにしたがって発生回数を増やし、九州南部では年4回〜5回発生します。
黒色のアゲハ類と異なり、日当たりの良い場所を好みます。やや暖地を好み、寒冷地では個体数が減ります。キアゲハより水平分布は広いですが、高標高地域の生息は少なく、垂直分布は少ないです。 |