樹林をともなう人家周辺で多く見られるシロチョウの仲間。
前翅長は40mm〜55mmになります。メスは黒色斑が発達し、後翅に斑紋列があらわれます。日本ではもっとも大型のシロチョウです。日本には近似種は存在しません。日本産夏型は総じて大型になり、国外産の別亜種の中でも最大クラスになります。
越冬形態は、九州南部ではサナギで越冬しますが、八重山諸島などでは決まった越冬態はありません。
食べ物は、幼虫ではフウチョウソウ科のギョボクを食べます。成虫は活発に飛び、ハイビスカス、ランタナなどの花で吸蜜します。
生活型は、卵→幼虫→さなぎ→成虫の、完全変態を行います。多化性で、北限の九州南部で年4回〜5回発生し、八重山諸島などではほぼ通年見ることができます。国外でも、東洋区の熱帯〜亜熱帯に広く分布しています。
各地で微妙な変異が知られていますが、亜種を分かつほどの大きな形態差はありません。八重山諸島の与那国島では、メスの地色が淡い黄色に変化した個体が一定の頻度で得られます。オスは他の八重山諸島各地産、宮古諸島産にはほぼ等しく、この傾向はおおむね沖縄諸島まで引き継がれます。奄美諸島以外ではやや小型な個体が多く、メスは奄美諸島産がもっとも黒化します。春型は小型で、前翅の先端がとがり、外縁は強く湾曲します。メスの表面はクリーム色になります。
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