平地や丘陵地の池沼に生息するトンボの仲間。羽化した後も、水辺付近の草むらや林で生活します。
腹長は37mm〜46mm、後翅長は30mm〜33mmになります。太身で細毛を密生したやや小型種です。体色は、未熟な時は黄褐色で、オリーブ色に変化し、雄は成熟すると黒褐色になります。雄の老熟個体では、ほとんど斑紋はみられません。雌は背隆線と肩縫線には明瞭な黒条が残ります。翅は透明で、付け根、中央、先端に褐色斑があります。
エサは、他の昆虫を捕えて食べます。
幼虫は楕円形のヤゴです。腹端に尾(えら)がありません。
越冬形態は幼虫です。
単独で植物のある浅い水面に、腹端を連続打水して産卵します。雄は水辺の植物に止まって縄張りを確保し、時折り水面上を飛び回って雌を探します。たくさんの個体が集まっている場所では、雌は交尾を繰り返します。
ヨツボシトンボに良く似ていますが、本種は一回り小さく、体色が黒っぽいです。かつては春の池沼でごく普通に見られるトンボでしたが、現在では絶滅危惧種に指定され、もっとも絶滅の恐れがあるトンボとなっています。分布はかなり局地的で、静岡県磐田市桶ヶ谷沼は多産地として有名です。 |