[特徴・解説] |
山地の日当たりの良い肥沃な場所に広く自生する落葉高木。
高さは10m〜25m、直径50cm〜60cmになります。樹皮は紫褐色〜暗褐色で、横に長い皮目が多くあります。新枝は赤褐色で無毛です。
葉は互生し、長さ8cm〜12cm、幅3cm〜5cmの長楕円形〜卵形になります。先端は尾状に長く伸び、基部は広いくさび形〜円形になります。ふちには細かくて鋭い単鋸歯、または重鋸歯があります。表面は無毛で、裏面はしろ色を帯びます。葉柄は無毛で赤みを帯び、上部に赤い蜜腺が2個あります。新芽の色は、赤色、茶色、黄色、緑色など変異が多いです。
花は葉の展開とほぼ同時に開花します。前年枝の葉腋に淡紅色の花が散房状に2個〜5個付きます。花序の柄は長さ5mm〜15mm、花の直径は2.5cm〜3.5cmです。
果実は直径7mm〜8mmの液果です。5月〜6月に黒紫色に熟します。
古来、サクラといえばヤマザクラを指しました。寿命が長く、巨木になり、秋の紅葉も綺麗。庭木、公園樹、街路樹などに利用されます。材は版画の板木、建築材、家具材、楽器材に、樹皮は樺細工などに使用されます。 |