シロダモ

[和名・種類]

シロダモ

[学名]

Neolitsea sericaa

[英名]

-

[名前の由来]

白だも。葉の裏が白いことからシロで、ダモはタブからの変化。
別名、ウラジロダモ、タデ、タモ、シロタブ、タマガラ。

[分布]

本州〜沖縄、朝鮮半島南部

[科名]

クスノキ科シロダモ属

[花色]

黄褐色（葉：緑色に掲載）

[花期]

１０月・１１月

[特徴・解説]

　暖地の山野の比較的湿潤な場所に生える常緑高木。
　高さ10m〜15mになります。樹皮は緑色を帯びた暗褐色で、丸い小さな皮目が多くあります。新枝には黄褐色の毛が密生します。葉芽は長楕円形で先端が尖り、花芽は球形で無柄です。
　葉は互生し、枝先に集まってつきます。葉身は長さ8cm〜18cm、幅4cm〜8cmの長楕円形〜卵状長楕円形です。全縁で波打ち、3脈が目立ちます。若葉は垂れ下がり、両面とも黄褐色の絹毛に覆われます。成葉になると表面は無毛になり、裏面はロウ質に覆われて灰白色になります。
　雌雄別株です。葉の脇に黄褐色の小さな花が集まってつきます。総苞片は広楕円形です。花被片は4個、雄花の雄しべは6個、雌花の雌しべは1個で仮雄しべは6個あります。
　果実は長さ1.2cm〜1.5cmの楕円形の液果です。翌年の10月〜11月に赤く熟します。種子は球形です。
　常緑広葉樹ではもっとも耐寒性がある樹木のひとつ。北陸地方の日本海沿岸では、南向きの斜面に優占群落があります。器具材に利用され、昔は種子から採れる油でロウソクを作りました。

[観察・感想]

　シロダモの葉の写真です。
　虫こぶがたくさんできています。シロダモの葉には、虫こぶができていることが多いですね。この虫こぶ、「シロダモハコブフシ」といいます。シロダモハコブフシの中には、「シロダモタマバエ」という昆虫の幼虫が暮らしています。
　シロダモタマバエは、シロダモの葉の中に卵を産み付けます。若い葉の状態で、卵を産み付けるみたいです。ひとつひとつの虫こぶの中に、一匹ずつのシロダモタマバエの幼虫が生活しています。虫こぶを潰した瞬間、ウジャウジャウジャーってたくさんの虫たちが出てきたりすることはないので、安心してください。
　葉を裏返して穴が開いていたら、すでに成虫になって羽化しています。
　シロダモに寄生するのが、シロダモタマバエなんですが・・・。シロダモタマバエに寄生する昆虫がいるんですよー。それは、シロダモタマバエコマユバチです。寄生していた昆虫が、逆に寄生されてしまうことがあるんですよ。
　昆虫と植物、厳しい生存競争の中を生きているみたいです。

[写真撮影]

2008年07月03日