カクレミノ

[和名・種類]

カクレミノ

[学名]

Dendropanax trifidus

[英名]

-

[名前の由来]

隠れ蓑。着ると姿を隠すことができる蓑のことで、葉を蓑に見立てたもの。

[分布]

関東地方以西〜九州

[科名]

ウコギ科カクレミノ属

[花色]

淡黄緑色（果実：緑色に掲載）

[花期]

７月・８月

[特徴・解説]

　湿り気のある照葉樹林に生える常緑小高木〜高木。とくに沿岸地に多く分布します。
　ほうきを逆さまにしたような樹形になり、高さ3m〜8mになります。樹皮は灰白色で、なめらかです。丸い小さな皮目があります。本年枝は緑色です。
　葉は互生し、枝先に集まってつきます。葉身は長さ7cm〜12cm、幅は3cm〜8cmになり、若木の葉は深く3裂〜5裂しますが、成木では菱形状広卵形か広卵形になり切れ込みはありません。ふちは全縁で、少し波打ち、顕著な3脈があります。質は厚く、表面は光沢があり、両面とも無毛です。秋〜冬にかけて、下部の葉は黄色くなって落葉します。
　花は雌雄同株で、枝先に球形の散形花序を1個、または2個〜3個出し、淡黄緑色の小さな花を15個〜40個つけます。両性花だけがつく花序と、雄花と両性花が混じる花序があります。花柄は長さ4cm〜7cm、花弁は5個、オシベは5個、花柱は4裂〜5裂します。
　果実は長さ約1cmの広楕円形の液果です。10月〜11月に紫黒色に熟し、先端に花柱が残ります。種子は2個〜5個で、長さ6mm〜7mmのゆがんだ長楕円形です。ヒヨドリが好んで食べ、排泄された種子で分布を広げます。
　庭木に使用されるほか、夏〜秋にかけて樹皮に傷をつけると黄漆という白い汁が出てきて、これを家具の塗料に使用します。

[観察・感想]

　最近、注目している樹木のひとつ、カクレミノ。公園樹や街路樹としても見かけることがあるので、身近な樹木だと思います。
　身近だし、地味だし、なぜカクレミノに注目しているのかというと・・・。観察をしてみると意外と面白いということに気が付いたんですよ。この写真のように変わった形をした果実を付けるというのも面白い。葉の形がさまざまあるというのも面白い。そして名前も面白い。今までは、身近な植物なのでほとんど気にすることもなかったんだけどね。
　ちなみに、ファインディング・ニモの映画で有名な魚は「カクレミノ」じゃないからね。「カクレクマノミ」だよ、間違えないように(＾＾；)

[写真撮影]

2007年09月13日