そらいろネット > 三浦半島観光地図 > 三浦半島事典 > 三浦半島の自然史2
小さな三浦半島では、海洋性気候の影響を強く受けます。 夏季は南西風が強く比較的涼しく、冬季は北東風が強く、東京湾側では寒くなります。 三浦半島中心部の池上・平作・衣笠エリアでは、内陸性気候で夏季は暑く、冬は寒いです。しかし、狭い三浦半島内での比較なので、日本列島と比べるとそれほど厳しい暑さや寒さではありません。 年間の平均気温は、半島南部で15.5度、中部で15度、北東部で14.5度です。神奈川県内ではもっとも暖かく、関東地方では、房総半島南部に次ぐ暖かさです。
三浦半島は、三方を海に囲まれているため、島的要素がかなり反映しています。陸地面積が狭く、水の収支が貧弱で、地下水も乏しく、乾燥しやすく、貧栄養、潮風の影響を常に受けるなど。内陸部に比べて、植物の種類も少なく、森林の発達も弱いのが一般的です。 ところが、三浦半島の植生は意外に豊かで、種類数も少なくありません。
植物と同様に、野生動物の種類も豊富だったようです。 幕末〜明治時代初期にかけて、シカや、イノシシが農作物を食害するのに困り、銃を使って捕獲したという記録が残っています。 また、久里浜湾の沖の岩礁(アシカ島)には、アシカが住み着いており、磯の魚を捕食するので困った漁師が、銃を使って追い払ったという記録も残っています。このアシカは、当時は小氷期と呼ばれる寒冷な気候が続いたため、寒い地方のアシカが南下したものと考えられてきました。しかし、現在では絶滅してしまったニホンアシカだったという説が有力です。
三浦半島でも、外来の動植物が野生化し、在来種を圧迫しています。人の生活にも悪影響を与える種類もいるので、無視できない問題となってきています。 アライグマ、タイワンリス、ハクビシン、ブラックバス、ブルーギル、ミシシッピーアカミミガメ、カミツキガメなどの外来種が野生化しています。なかでも、アライグマとブラックバスによる被害は大きなものとなっています。 このような事から、外来種を寄生する法律もできています。